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「協力するとでも思っているのか?」
「協力するもなにも、あんたら逃げるしかないんだよ」男は皮の手袋を外した。「警察組織に助けてもらおうなんて考えるなよ。奴ら左側の人間には容赦しないからなあ」
男の指先からは全ての爪が剥ぎ取られていた。
「うちの組織としてはどっちに転んでも得なんだ。あんたらが餌になってくれさえすればね。捕まったら捕まったで、拷問が待っている。その分、時間も労力も割かれるわなあ。捕まらなかった場合、7を確保できる可能性がぐんとあがる。これは持久戦なんだよ。7月29日までのね」
「狂ってる!」俺はいった。「そこまでして守る必要がどこにあるんだ!」
「わかってないねえ」男はこう続ける。「こっちは7をベースにしたフリーのOSをインターネット上で公開する予定なんだ。そうなれば、MS社とお国の偉いさんがグルになって、散々しでかしてきた悪事の数々が瞬時に公開されると、まあ、そういう段取りになってる。詳しいことは、あんたらに何時間話しても、理解することはできないだろうけどね」
本当に、そんなことができるのか?──俺がそう疑っている時、上空から爆発音が聞こえてきた。




