2-12
なすがままに連れ去られた。凶暴な奴らの容姿。抵抗などなんの意味もないように思われた。両手の自由は当然のように奪われている。
連中はニヤけながらなにか布のようなもので俺の目のまわりを覆った。視界を奪われた状態。なにも見えない。どこにいるのかさえもわからない。
エンジン音と荒れた道にガタつくタイヤの唸り声を聞くことで、今、車のなかにいるということだけは理解できた。
暑苦しい夜の熱気を掻きむしる連中の行動、ヒステリーかつ論理性を欠いている、一体なんなんだ……耳を澄ませ意識を集中していると、意味不明に相手を罵声だけが聞こえてくる、時間の経過がわからない、車のドアが開く音、寒々とした冷房にむせた空気が混じる、エンジン音が止まった、誰かに腕を掴まれる、乱暴に扱わないでとナナコ女史がいってる、ぬめった泥の土からコンクリートを蹴る感触に変わる、僕の肉を食べても美味しくないからねとレオギの奴がいった、どうやら階段を登っているようだ、レオギの悲鳴、殴られたのか、進む、止まった、どうやら目的地らしい、俺たちをどうするつもりだ?──目隠しが取り払われる、眩しい、少し目眩がした、どういうわけだか、手を縛っていたロープも乱暴に剥ぎ取られる、目が輪郭を捉える、景色が浮きあがってきた、目の前にはコンピューター、見渡すかぎりにタワー型のPCが積みあげられていた、レオギがいない、おそらくもう手遅れなのだ……左翼ゲリラどものなかで男色が流行っているという情報がインターネット上では飛びかっていた、俺も餌食にされるのだろうか?──なぜ、MS社がこういう連中と絡んでるんだ?──ナナコ女史を探した、手足を厳重に縛られた状態で強固な体躯の男ふたりに楽々と担ぎあげられている、ほとんど裸状態のナナコ女史、汗ばんで、胸の突起が丸わかり……




