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ジャグジー付きの温水プール──丸太をつなげたようなどでかい浮き輪に寝転がり、レオギの奴は優雅に作業を続けていた。
防水加工されたラップトップをだらしなく膝の上に乗っけてる。
スマートフォン──USBに繋げてテザリング──ホテルのマザーコンピュータに接続しながら作業をしていた。
残念ながら、薄っぺらいラップトップではマシーンのパワーが足りない。
陸にいる俺は有線接続で同様に作業を続けていた。
自分の体重を考慮して水辺での優雅なお仕事はご遠慮することにしたわけなのだ。
籐の椅子に寝転がりスクリプトコードをタイピング。水着姿のナナコ女史に見とれながらも指先だけは休みなく動かし続けていた。
肌が触れてしまいそうな距離。スマホ画面を覗きながらナナコ女史が俺にいった。
「チョーさん。M丸商事から急務のホームページ作成依頼が来てますですよ」
「わかった。さっさと仕上げて、次はM丸だ」