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1-1

 樹海に降りそそぐ陽射しを、なぜか生暖かく感じていた。俺の感覚はすでに狂ってしまっているのだろう。その証拠に痺れていた四肢の感触が徐々に失われつつある。

 どうして、こうなってしまったのか……俺自身も肝心のところは理解できていない。はじまりはとあるベンチャー企業のオフィスにて。話をひと月ほど前に戻すことにしょう。


     *


「あーん、なんなんですか~、これはー」


 天井にアニメ声優さながら萌声が反響する。


 パチパチと豆を潰すようなタイピング音が一斉に止まり、馬鹿でかいタワー型のPCモニターには14%の文字が映しだされる。


 俺が気づいた時にはもうすでに手遅れだった。


 オーバル眼鏡のナナコ女史は画面を見て固まってしまっていた。従業員全員の凍った視線が一瞬にして突き刺さる。事の発端は五分ほど前、ウィンドウには──



《今アップデート》or《今夜アップデート》



 キャンセルボタンは見当たらなかった。当然のようにナナコ女史は右上のXボタンを押しウィンドウを閉じる。数分後にはこの有様というわけだ。

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