表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

キミの攻撃。

作者: 珊瑚

日課になっている、帰宅したらすぐにの


《ただいま》


メッセージ送信。


〈おかえりなさい〉


返信がはやい。

良いタイミングで送信できたんだ。


《お風呂入ってくる》


〈はーい。ごゆっくり〉


今日は、暑かった。体も顔もベタベタする。

このアパートに住んでから湯船に浸かったことがない。まぁ、シャワーで足りてるからいいんだけどね。

キミは、浸かる派というか長風呂だよね。暇さえあれば風呂に入ってるような感じで、夏場なんて何回はいるんだか。

俺なんてカラスの行水。たぶん10分もかかってないんじゃないだろうか。

シャワーを止めて体を洗っていたら着信音が聞こえる。

あれ?着信音が鳴り止まない。

なーにやってんだかさー。

犯人は分かってる。こんなことするのはさ。

風呂を出てタオルで髪を拭きながら携帯をみてみれば。

ほら、キミだった。っていうかキミしかいないよ。



《スタンプ攻撃してみた!何個たまった??》


俺からの返信を、ワクワクしながら待ってるんだろうな。

数を確認してちらっとスクロールしてみれば何やってんだよ。本当に。今、絶対に顔がニヤけてる。


《114》


数だけ送ってみる。

すぐに既読がつく。絶対に待ち構えてたな。

返信の代わりに着信がくる。


「ねぇ!ビックリした?」


興奮しながら早口で言うキミ。

まったく、開口一番にそれですか。


『お風呂中に着信音がすごかったから何やってると思えば』


「私、すごい?」


キミはやりきったことに満足してるのかな?

俺が気づいてるともまだわかってないのかな?


『すごいすごい。メッセージがこんなにくるなんて思っても見たこともないよ。』


「初体験おめでとう!」


そうだね。こんなにたくさんメッセージがくるのも、その間に言葉が隠れていたのも。

全部はじめてだよ。初体験だよ。


『それいいね。』


「いいね。いただいちゃった。」


まったく。キミの発想にはビックリさせられるよ。


『いいね。あげるよ。』


キミが望むならなんでもあげる。


『俺が風呂に入るの狙ってたの。』


「はい」


素直だ。


『送っていたときのお気持ちをどうぞ。』


「オラオラオラオラオラー?」


こらこら。俺の好きなキャラの真似かよ。


『もしかして、声だしながらやったの?』


「連打攻撃したのですよ!掛け声はこれでしょ?」


『まぁ、連打ですね。』


今日はキミに笑わせられてばっかりた。


「いいね。いただけます?」


『あげちゃう。あげちゃう。』


まったく、キミって子は。


「わーい。2個目GETだぜ!」


なんか、キミにやられてばっかりだ。


『送り終わってドヤ顔したでしょ?


さてと、仕返ししていかなきゃ。


「なっ!!」


『したでしょ』


「たぶん」


たぶんじゃないでしょ。ドヤ顔してるキミしか想像ができない。


「はやく、お風呂から出てこないかワクワクして待ってました。」


『かわいいね。』


俺が帰ってくるのと、風呂から出るのを犬のだったら尻尾振って待ってたに違いない。


『ありがとね。俺も同じ気持ちだよ。』


「ばれた?」


『はい』


「気づかれないかと思ったのに」


『ちゃんと確認しましたから。』


スタンプは、メチャクチャだったけどね。


「残念なような、嬉しいような。

…恥ずかしい。」



『ちゃんと、言って?』


やられっぱなしは、性に合いませんのでね。


「ばか」


『あれ?違うよね?』


「意地悪。きらい」


「俺も同じ気持ちでいいの?」


「やだ!」


『だったら?』


すーっと息を吸うのが聞こえた


「すき」


『よくできました。花丸をあげましょう。』


「いじめっこなんだから。」


キミがカワイイから

からかいたいし、いじめたくなるし、いろいろちょっかい出しちゃうんだよね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 微笑ましいです♪ 心が温まりました。こういう恋愛すてきですね。 珊瑚さんのほかの作品も読んでみようと思います! 僕も小説を書いているので、よろしければ、、
2016/05/22 11:37 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ