あたたかい愛の詩
〜 3年後 〜
「ママ〜!」
私の愛おしい子供達…
私には沢山の子供達がいる…
実の子供じゃない…養子をとったわけでもない…。
優介が俳優の仕事の傍ら、子供達に絵を教えている。
それを習いに来ている子供達。
そして近所の子供達…
私はその子達を相手に、花の名前や花言葉、それに花や草木を使った遊びを教えたりしている。
最後は永井が育った施設の子供達。
今日は施設の子供達の中でもおちびちゃん達6人を連れて、ハイキングに来ている。
優介は空き地で子供達を相手にサッカーボールで遊んでいる。
フフフ…一番の大人が一番負けず嫌いで、子供っぽい…。
施設の子供達は私の事を「ママ」と呼び優介の事を「パパ」と呼ぶ。と言ってもあだ名みたいなものだ。
「ママ〜」と言って走ってきたオチビちゃんは私の膝の上にチョコンと座り微笑んでいた。
施設の子供達を養子にとるつもりは無い…施設の子供を全員養子にする事は出来ないのだから…誰かを選ぶ事はしたくなかった…
考えて出した結論は定期的にこんな風に一緒に遊んだり出かけたりして時間を過ごす事…子供達もそれを楽しみにしていてくれてるようだった。
優介は私に気を使っているのか、極力恋愛物の仕事は断っている…私は気にしないって言ったのに、自分自身が恋愛物はやりたくないって言ってきかなかった…。
私と優介は未だ結婚せずに同棲している…とくに理由があるわけじゃない…
そのことで色々と言う人もいるけれど、今の自分達にはこの関係が心地いいと…そう思っているから。
私はフラワーデザインの資格を無事に取得して、近所の人たちに教えたりしながら日々勉強中!
自分に自信を持てるようになったか?…それは難しい質問…
自分でもわからない…ただ一つ言えることは、優介が傍にいてくれるとよく眠れる…それは確かだった。
「ああ!腹減った〜!」
優介がそう言いながら私の方に駆け寄ってきた…そして来るなり私の膝の上に座っていたオチビちゃんをヒョイっと抱き上げると私の横に立たせる…
いったい何をするつもり!?
私がそんな事を思っていたら…あらら…まったく…
今度は優介が私の膝を枕にして寝転ぶ…
もう!優介ったら!
「ああ!!パパだけずるい!」
オチビちゃんがそう言って、優介の鼻をつまんだ…優介は鼻をつままれた事など気にする風ではなく、フフンと満足そうな笑みを浮かべていた…。
そんな優介をついつい可愛いと思ってしまう自分がいる。
他の子供達も走ってきて、口々に優介だけズルイって言って近付いてくる…さすがにこの人数に襲われたら私の身が持たない…
「麻未ママは優介パパのものなの!」
優介はそう言いながら起き上がるとギューギューと私を抱きしめる…
その言葉にオチビちゃんが、腰に手をあててため息をついた…
フフフ…大人ぶっちゃって可愛いな…
「もう…まったく…ママもママよ!その嬉しそうな顔は何!?」
オチビちゃんはそう言って口を尖らせる…
え!?うそ!?私そんなに嬉しそうな顔してた?
私が慌てて顔に手を当ててると…
みんなが大笑いしだした…こぼれんばかりの子供達の笑顔。
優介も私もその子供達の笑顔につられて笑った。
これが私達なりに見つけた答え…今こうして穏やかに優介を隣にして笑う事ができる幸せ。
いつか…結婚はすると思う…
二人の間でタブーになってる話題…辛い過去を思い出にする事が出来た時…
その時に…きっと…
温かい日差しの中で、子供達の笑顔が輝いていた。
それを包むように優しい風が吹く…まるでそれは詩を詠っているようだった。
お互いの温もりを感じながら
愛をたしかめあう二人
心は惹かれあい 共鳴する
深く傷ついた過去も
優しい言葉に包まれて
笑みを奏でて 思い出を刻む
あたたかい愛の詩
未熟な作品を長い間読んでいただいてありがとうございました。
この作品には色々なメッセージを含めてみました。
人間とは純粋で綺麗なまま生きる事は難しいとゆう事、金や権力、愛する者を守るためにはながいものに巻かれなければならない時もある…。
愛とは決して美しいだけのものではなく、その裏側には嫉妬やわがままを隠し持ち危ういものである。
愛は時として人を異常なものへと変えていく事がある…
みなさんはどんな愛を望むでしょうか?
人を愛するとゆう事はどうゆう事なのか?
幸せとはどんな事なのか?
人それぞれ…自分にとっての幸せがみなさんに見つかる事を祈ってます。