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策略をかわせるか!?

「神楽さん、この間の事故の件で服部さんが事情聴取を受けましたが、このパーティーに出席してるとゆう事は、やはりあの事故の犯人は別にいると言う事なんでしょうね?」

1人の記者が俺に近付いてきて、そう聞いた。

その質問は…俺にとって、不愉快きわまりないものだった…

正直に答えたい、だが正直答えられない現実がある…自分の置かれてる立場を恨みたくなる。

俺が何も言えずに立っていると、服部が傍にきて馴れ馴れしく肩を組んでくる…。

本当に、この男は腹立たしい!

「あたりまえじゃないですか!神楽さんは僕が警察で事情聴取されたって聞いて、わざわざ心配して電話をかけてきてくれたんですから!」

服部は満面の笑顔で、そう言った。

ある意味尊敬する…平然とそんな事を言える…このクソヤロウが!

パリーン!!

俺が持っていたグラスが割れ、机にガラスが飛び散った!

あまりにも腹立たしくて、思わず手に力を入れすぎてグラスを割ってしまった!

白い、テーブルクロスに血がポタポタと点を作る!

「優介!」

その声と供に、麻未が俺に駆け寄ってくる!

そして俺の手の平に刺さったガラスを丁寧に抜くと、鞄から出したハンカチでそっとくるんだ…

「神楽さん、大丈夫ですか?…グラスにヒビでもはいっていたんでしょうかね…」

服部はそういいながら、口の端を上げ嫌な笑みを浮かべる。

麻未は俺の顔を心配そうに見上げていた…ごめん…わかってる…わかってるんだけど、自分の感情を抑えるは俺にとって難しい…。

麻未はスクッと立ち上がると、服部の方を向く。

「このパーティーの主催は服部さん貴方ですよね?会場は服部グループのもの…それならこの会場でヒビのはいったグラスがあったなんて…責任問題ですよ…貴方にとって大切な方々がくるこの会場でそんな品物が用意されてるなんて…あなた自身の真意が問われるんじゃありませんか?」

麻未は淡々と冷静な口調で服部に向ってそう言った。

他の客達も、俺たちの方を見ながらヒソヒソと話をしている。

服部は、一瞬鋭い目線で麻未を見る…そしてフッと目線をそらすと鼻で笑う。

「これはこれは、教えられてしまいましたね…僕みたいにヌクヌクと温室で育ってしまうとついつい忘れがちな事も貴女のように色々な経験をしていると忘れないで済む…」

服部はそう言うと、不適に笑い俺たちのもとから立ち去っていった。

俺は正直、ビックリしていた…麻未の言動に…。

コイツは俺のよりも年下なのに…しっかりしている…。


 ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞


優介が不意に私の頭を撫でる…

「正直驚いた…ああゆうきり返しはうまいな…」

優介はそう言いながら私の肩を抱く…。

「手は大丈夫なの?…いつも無茶ばかりするんだから…」

私は優介の手を見る…もう血は止まっていた…。

「それにしても、そんなドレスを着ていると見違えるな…」

優介はそういいながら、しみじみと私を見る…なんだか照れてしまう…。


その時!会場の外の廊下を!?

あれ!?…今の…まさか!?

私はそう思って、自然と体が会場の外の廊下へと動く。

今、佐倉さんを見かけたような気がしたんだけど…

廊下に出て見渡したけど…それらしい人の姿はなかった…気のせいか…

私は首をかしげながら、会場に戻る…すると、優介と見知らぬ年配の男の人が話していた。

優介が私を手招きする…私は小走りに優介に駆け寄った。

「監督…俺の最愛の人です」

優介にそう紹介されて、私は顔があつくなる…

「麻未…この人が俺の尊敬する元木監督…」

私は頭を下げた。

元木監督…ああ、例の映画の監督だ…

「しかし、まさか優介までが招待されていたとは…服部もなかなか…」

監督はそういいながら、皮肉っぽい笑顔を浮かべる…。

「監督の方こそ…」

優介はグラスを見つめながらそう呟く

「悲しい事に、私もまだまだこの業界で作りたいものがある…今は反発する時期じゃないだろう…しかし優介の最愛の君は勇気がある…あれは最良の反撃だったよ…」

監督は私の方を見て、にこにこを笑う。

「元木監督!神楽さん!」

そう言いながら、2人の男性が近付いてくる…。

優介は私に耳打ちをする。

この2人は脚本家なんですって…優介がそう言った。

「神楽さんの婚約者?」

2人の男性は私をまざまざと見ながらそう言った。

私は頭を下げる…

「へ〜…普通…だけど…ククク…さっきは面白い見せ物を見せてもらった…それだけでも来たかいがあった…。」

背の高い方の人が私の方を見ながらそう言う。

「神楽さんの婚約者じゃなかったら、僕が欲しいくらいだな…」

その人は柔らかく笑いながらそう言った。

そんな事を言われたのに、優介は珍しく怒らない…不思議だ…なんでだろう???

「服部のために来たんじゃないのかよ?」

優介がそう聞くと、その男性2人は顔を見合わせて吹き出し笑いをする。

「誰が!?…愛する神楽さんが来るって聞いたから…そうじゃなかったら誰が好き好んでこんな所に…」

今度は背の低い方の人がそう言う…

愛する!?何!?…この2人ってもしかしてゲイ!?だから優介は怒らなかったのね…なるほど…

それにしても服部の事をよく思ってない人も、けっこういるのね…

それじゃあ…この誕生日パーティーってなんなのかしら?本当に心から祝ってくれる人はいるのかしら?…

そんな事を思ってると、次から次に優介の周りに人が集まってくる…

とくにこれといった話じゃなくて、なんとなく話をしに来るだけだけど…優介が慕われている事がわかる…。

ここに集まってる人って…

服部のために集まったんじゃなく、服部の機嫌を損ねないように集まってるだけなのかしら?

あの服部真之介って人…なんだか可愛そうな感じね…ううん…性格悪いもの!自分で招いてる事よね!


優介の周り集まってる人って…ほとんどが業界の人なのよね?

自分でも思うけれど、本当に私って芸能界の事知らな過ぎかしら?

誰が誰なのか…なったくわからないわ…

ハハハハ…こんな自分が情けない…


この時、私たちの事を殺気に満ちた瞳で服部が見ていたことなど全く気付かなかった…。

何かが起こりそうな予感!?

はたして廊下を通ったのは佐倉だったのだろうか!?


これからも読んでいただけると嬉しいです!

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