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あの人からの電話…

クスクス…楽しかったな…

私は店先の掃除をしながら、思い出し笑いをしていた

だって…この間、優介の所に長谷川さんと黒崎さんが来た時、みんな飲みすぎてもう凄い事になってしまって…あの2枚目の3人がみ〜んな3枚目に変貌しちゃって…可笑しかった。

一番お酒に弱い優介が最初に撃沈…ベッドになんとか連れて行って…

その後、気付いたら、長谷川さんと黒崎さんがソファーの上で撃沈しちゃって…とりあえず毛布をかけてあげて…

私は優介の隣に入って眠った…そうしたら、朝起きてビックリ!

なぜか…優介と長谷川さんに挟まれて私は寝ていた…

こうゆう場合はなんて言うの?両手に…

優介はもの凄く怒っちゃって、しばらく口をきいてくれなかった…

長谷川さんは…優介のそんな姿は慣れっこだって感じでクスクス笑ってるし…

黒崎さんは、1人で淡々とみんなの朝ごはんを作っていた…

そんなバラバラな3人の関係がなぜかバランス良く見えて…とても可笑しかった。

優介は膨れ顔で、黒崎さんの作った雑炊を食べてた…それがとても可愛くて…フフフフ

思い出しただけで、顔が緩んじゃう…。


「気持ち悪いな…何1人で笑ってるの?」

後ろから聞き憶えのある声が聞こえてきた。

振り返ると、そこには永井が立っていた。

「久しぶりね…」

私のその言葉に永井は笑みを浮かべる

「只今、5時45分…あと15分で仕事終るでしょう?」

「まあね…」

「ねえ、デートしよう!」

またなの?…デートなんかしないわよ…今日はこれから優介と会う約束だし…

「うっそだよ〜ん!…麻未さんは正直だな…そんな困った顔しないでよ…ただなんとなく麻未さんの顔が見たくなっただけだよ…」

永井はそう言って、少し淋しそうに目を伏せる…。

何かあったのかな?

「今度さ…付き合って欲しい所があるんだけど…神楽さんも一緒に…」

永井はそう言いながら、私から目をそらす…

優介も一緒に!?…どうゆ事?

私はその理由が気になって、口を開こうとした、その時!携帯が鳴った!


見た事の無い番号…なんとなく、ピーンときた…

「もしもし…もしもし!?」

相手からの応答が無い…

「誰?…佐倉さん!?…」

私はその名前を出してみた…確信があったわけじゃないけど…なんとなくそう思った

「…やっぱり…え!?…はい…ええ…ええ…わかりました」

佐倉さんからの呼び出しだった…優介に知らせる?…ううん、それじゃなくても今はあの服部ってヤツの事で大変なんだから…やっぱり…私1人で解決する…

「麻未さん?…どうかしたの?」

永井が私の顔を覗き込んで、そう聞いていた…

たぶん、繕えないほど不安に満ちた表情をしていたと思う…

「ううん…何でもない…」

自分でもかなり無理している…だけど、できるだけ早くに解決したかった!

「今の電話誰!?…麻未さん、様子がおかしいよ!何かあったの?」

永井は私を心配して、そう突っ込んで聞いてくる…

永井の優しさがわからないわけではなかった…だけど今の私にはそれに答えられるだけの気持ちに余裕が無かった…

「何でも無いって!言ってるじゃない!」

ついつい強い口調で言ってしまった…

「…わかったよ」

永井は私の真っ直ぐに見つめてそう言った…。


「麻未ちゃん、あがっていいよ!」

店長の声がして、私は店の奥に着替えに行く…


着替えて出てくると、永井はまだ店先で立って待っていた。

「ごめんね…今日はこれから友達と会うから…それじゃあね」

私はそう言い残すと、タクシーを拾って急いで乗った…

永井がそんな私をジッーッと意味ありげな自然で見てる事なんて知りもしなかった。


優介からは、佐倉さんが休んでいるとは聞いていた…。

だけど、それ以外は優介は何も話してくれないし、気にはなっていたけど、私からは聞きづらくてなんとなく避けて通っていた。

正直に言うと…怖さはある…あのメールに始まって、階段のこと、連れ去られて危うくレイプされそうになった事…

だけど…自分の中でも少しでも早くにケリを付けて、重荷を下ろしたかった…。

そんな気持ちが強かったのかもしれない…

私は膝の上で硬く拳を握り締めた…。


この時、私の乗ったタクシーの後をつけているタクシーがいる事に私はまったく気付いていなかった…。

そのタクシーの中には携帯を片手に永井が乗っていた…。



麻未が店先で思い出し笑いをしていると、永井が現れて、今度、優介も一緒に付き合って欲しい所がある…そう言った。永井が優介に?麻未は不思議に思う

そして携帯の音が鳴り響く!

佐倉からだった…恐怖を押し殺し、麻未は佐倉に会いに行く。

次回、麻未が佐倉の部屋に入ると、そこには!?

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