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モヤモヤを吹っ飛ばせ!

嫌がらせのメールも私を階段から突き落としたのも

そしてあの時の倉庫に連れ去られた事も…みんな…みんな…佐倉さんがやった事!?

私は今でも信じられない気持ちがあった…

でもあの様子だと…それは確実で…こんな近くに犯人がいたなんてショックだった…。

そして今日のあの姿…わかってる…佐倉さんの狂言だって事…だけど、心の中にモヤモヤと煮え切らない気持ちが残っていた…

佐倉さんは優介の事が好きだった…それはわかっていた…

人を愛する事は一歩間違えると、異常な行動に駆り立ててしまうものなのかもしれない…

私だって…もしかしたら佐倉さん側の立場にいたのかもしれない…

どうにもならない思いが心の中で渦を巻いていて…イライラしていた…


私はふと台所に目が行く…グラスや皿が洗わないままで置いてあった…

なんとなく自然と体が動いていた…

私は台所に立って、洗い物をし始める…

そう…こうゆう時は体を動かした方が気が紛れる…


優介がそんな私に気付いて、近付いてくる…

「片づけなら俺がやるから…」

優介は優しくそう言った…

「体を動かしている方が気が紛れるから…」

私はついついそっけなくそう言ってしまった。

優介はため息をついて、私が洗い物をしている姿をソファーに座りながら見ていた。


ガシャーン!

お皿を足元に落としてしまった!

私は慌てて、破片を拾おうとする。

「つぅっ!」

破片で指を切っちゃった!

優介が私のその声に急いで傍に来る…そして血が出ている人差し指を自分の口に含んだ!

私は思わず、手をひっこっめる…

なぜそんな事をしたのか自分でもわからない…

優介は悲しい瞳で私を見つめていた…そして私の手を掴むとソファーの所まで引っ張って行き、私をソファーに座らせてた。

「今、絆創膏とって来るから、ここに座ってろよ」

そう言って、寝室から絆創膏を持ってくる

優介は私の人差し指に絆創膏を貼る…そしてそのまま私の手を握り締めた

「麻未…ごめん…俺がうかつだったんだ…まさか佐倉がそんな事をするなんて思っても見なかった…俺がもう少し佐倉に対して違う対応をしていれば、お前にそんな思いをさせずに済んだのかもしれない…」

優介の伏せた瞳…長い睫毛の向こうに後悔と懺悔の気持ちを見たような気がした…

佐倉さんの優介への思い…マネージャーとして優介と一緒にずっとやってきた…

それが愛情に変わっていっても不思議じゃない…

澄香さんと優介が付き合っていた時だって…

もしかしたら好きだったのかも知れない…もしかしたら…!?


え!?…やだ…私、何考えてるんだろう…そんな事…絶対にあるわけがない…

私は頭の中に微かに思った事を、むりやり打ち消した!


優介は立ち上がると、台所に立って後片付けをし始めた…

カチャン…カチャン…と音が聞こえてくる…

着ているシャツのボタンが全部飛んじゃって…前が肌蹴てる…

あ!?ほらそのままにしてあるから…シャツの裾が水浸し!クスクス…駄目ね…

優介が裾の部分を絞っていた…しまいに面倒になったらしく、シャツを脱いで上半身裸…

上半身裸で洗い物…ちょっと滑稽に見えて可笑しかった。


優介が洗い物を済ませて私の方に歩いてくると、私から少し離れた所にチョコンと座る…

上半身裸で私の様子を伺いながら、少しだけ私の方にずれてくる…

その仕草がたまらなく可愛くて…可笑しくて…思わず顔が緩んだ…

優介は安心したような顔をしていた…

私の手を握る…

「ごめんな…あんな所を見せてしまって…ショックだったよな…」

優介が目を伏せながらそう言う…そう確かにね…生で見るとショックが大きい

一応俳優なんだから、キスシーンはあるだろうけど…画面を通してとでは違うから…

「歯磨きしてこようかな」

優介がボソッと言う…思わず私は吹き出した…

私は優介の口に、軽く口づけをする!

優介はキョトンとして固まっちゃった!キャハハハ…可笑しい

「納豆も一緒に食べれば臭くない…よ!」

私の言葉に、優介が吹き出す!

ハハハハハ…

大きな口を開けて笑っていた…かと思うと急に真顔になる

「麻未…愛してる…」

そう言って、私を見つめた…

優介は私をいきなりソファーの上に押し倒し、私の唇に口づけをする…

優介の愛が流れ込んでくる…

私も愛してる…


その時、優介の携帯が鳴り響いた!

優介は私に軽く口づけをして離れると、電話を取って寝室に行って話をしていた…

電話を切ると優介はクローゼットから服を出して着ていた。

「麻未、悪いな…ちょっと事務所まで行って来る…留守番頼む…誰が来ても出なくいいから!いいか、俺が来るまでここにいろ!」

優介は私の返事も聞かずに、出掛けに私にキスをして出て行ってしまった…

淋しい…なあ…

1人になったのが淋しいんじゃなくて…

なんとなく淋しかった…

きっと…優介が何も教えてくれなかったから…事故の事…






麻未に対する一連の犯人がはっきりした…佐倉が全てを仕掛けていた事に優介も麻未もショックを受けた。

麻未の頭の中に浮かんだ一つの疑惑とはなんだったのか?

次回、優介と麻未の間にまた穏やかなひと時が流れます!

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