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敵の影が見えた!?

薄っすらと意識が戻ってくる…

ゆっくりと目を開けると、目の前に佐倉の顔があった。

「優介?…優介!…気がついたのね?よかった〜…」

佐倉は涙ぐんでいた…

左の太ももに鈍い痛みを感じる。

あ!そうだ…撮影中に怪我したんだな…俺

「佐倉…俺はどうなったんだ?」

頭がまだボーッとしてる中で俺はそう聞いた。

「とりあえず動脈とか危ない場所はそれていたから大丈夫だって、だけど傷が深いから傷跡は残るって…50針も縫ったのよ!…本当にいいかげんにして欲しいわ!火薬の量を間違えたのかどうかしらないけど!」

佐倉はそう言ってえらく憤慨していた。

火薬の量を間違えた?…そんな事があるのか?…

俺はどうもふに落ちなかった。


「まだ麻酔が効いてるから、痛みはそうでもないけど、切れたら痛むって言ってたわ…」

佐倉は俺を心配そうな顔で覗きこんだ

「今、何時だ?」

「えっと、今午後7時よ」

「もうそんな時間か…ところで撮影はどうなるって!?」

俺のその言葉に、佐倉の顔色が変わる…俺から少し離れて言いずらそうな表情をしてる。

その顔を見てなんとなく想像はついた。

「何だ?はっきり言えよ」

佐倉は気まずそうに口を開く

「まだハッキリは決まってないけど…たぶん下ろされると思う…監督は優介の事をとてもかっていてくれていて、優介無しのこの映画は考えられないって言ってたけど…」

わかってる…こんな大怪我して復帰するまで待ってて下さいなんて言える訳が無い。

それこそあつかましい。

「監督に代役立ててくれるように頼んでくれ。監督の選んだ俳優なら文句は無いって…」

おれの言葉に佐倉は静かに頷いた。


コンコン

病室のドアをノックする音が聞こえた

「どうぞ」

佐倉の声にドアが開く…そこには駿が立っていた…なんだ?なんで?ここに?

駿が病室に入ってくる…

「優介、お前のドジさ加減を見に来てやったぞ!」

第一声がその言葉だった…

俺は鼻で笑う…相変わらずだな。

「佐倉、今日は悪かったな…もう遅いし今日は帰ってもいいぞ…」

「わかった、明日また来るわね!では長谷川さんお先に失礼します」

佐倉はそう言って駿に軽く会釈して、病室を出て行った。

駿は佐倉が病室を完全に出て行くのを確認して口を開く

「相変わらず、お前のマネージャーは綺麗だな…」

ハイハイ、スケコマシの駿君登場!俺は密かに心の中でそう思った。クククク


「運動神経のいいお前がどうしたんだ?何かあったのか?」

珍しく、駿の顔が真剣でビックリした…こっちの方がどうかしたのか?って聞きたくなる。

「想像してたより爆発の規模が大きかったんだ…」

俺がそう言うと、駿は意味ありげにため息をついて髪の毛を掻き揚げる

「お前さ…いや、いい」

駿は何かを聞きかけて止めた…こうゆうのってもの凄く気になるよな…

「なんだよ…気になるだろう?」

「だよな…」

駿はそう言って、一呼吸おいてから口を開いた

「これはあくまで俺個人の考えだから、そのつもりで聞いて欲しいんだ」

なんだよ、その前置き…

「ああ、わかった、わかった!」

「お前さ、服部真之介と顔見知りか?」

駿はそう言い、凄い真剣な顔で俺を見る

「服部!?…ああ!あの大根役者!?…いいや、共演もした事無いけど…それがどうかしたのか?」

「そうだよな〜…いやちょっと、本当にほんのちょっとなんだが、小耳にはさんだんだ、どうも服部がお前の事を良く思ってないらしいって…」

「服部真之介…あの服部真之介か…」

俺は思わず舌打ちをする、そして脅迫メールの事を思い出す…

服部真之介、父親は服部財閥の会長、絵に描いたような御曹司で、一応俳優をしているが俳優の仕事を趣味程度にしか思ってないヤツ…

当然、服部会長は芸能界と精通していてかなりの力がある…

親の七光りを大いに利用して芸能界にのさばっている輩…と俺は思っている。

「お前の言いた事はわかった…今回の事故、もしかすると服部の仕業じゃないかと思ってるって事だよな?」

俺の言葉に駿は頷きもせず、ただ俺を見つめるだけだった。

服部を敵にするとゆう事は服部会長を敵にするとゆう事だ、それはつまり芸能界から追放される事を意味している…服部会長はそれほどの影響力を持っていた。

「まあ、何も証拠の無い話だ…俺の想像話だから…お前は物事をハッキリ言い過ぎるところがあるから、知らず知らずのうちに逆恨みされてるのかも!?ってちょっと思ったんだ…でも接点が無いなら違うだろう…ま、俺の取り越し苦労だろう、きっとそうだ…」

駿はそう言いながら、俺のほうを見て笑っていた…

確かに駿の取り越し苦労かもしれない…だけど…ありえない話じゃないって思った。


脅迫メール…

あ!…あ〜…あの麻未の拉致事件は!?…

俺は今までの色々な事を思い起こして頭の中で整理する。


でも全ては証拠の無い話、こんな動けない体じゃどうにもならない…

今はとりあえず、怪我を治すことに専念するしかないって事か…

まったく、歯がゆいぜ!!!


「ところで、麻未ちゃんは来ないのか?」

駿はニヤニヤしながら、俺の顔を覗き込む

「まだ、知らせてない…」

俺はボソッと呟くように言った。

「あ〜あ、カッコつけちゃって、本当は一番会いたいくせに!」

駿が俺が動けない事をいい事に、頬を指で突っつきながらそう言う。

そう、確かに一番会いたい、今すぐにでも顔が見たいよ…だけど…

もし今回の事故が誰かの意図的なものだとしたら?

また麻未に迷惑のかかる事は避けたい…

「お前って、ホント嘘つけないタイプ〜…顔に出てるぞ!麻未ちゃんの事が心配なんだろう?自分の事で迷惑や心配はかけたくないって?…だけど、麻未ちゃんの方はそうは思わないぜ、きっと…」

駿は本当に俺の心を読むのが旨い…

ああ…そうだろうな…俺の傍にいて俺を守るんだって言いかねない、だから余計に今は俺から遠ざけたい…

俺はため息を一つついた


コンコン

またドアをノックする音…

今度は誰だ?

「どうぞ」

俺がそう言うと、ドアが開き、そこに竜太が立っていた。


ベッドに寝てる俺、傍らに座ってる駿、そして立ってる竜太、三人の目が合って、それぞれに笑いがこぼれる…


ホント、お前らっていいヤツだな…

俺は心の中が温かくなるのを感じた。






優介は50針の縫う大怪我をおった、映画はあきらめるしかない。

駿の話で敵の影が見えているのに何もできない歯がゆさを感じていた。

優介はまた麻未に危険が及ぶのではないかと心配し、心の中である事を決意していた。

次回は優介の所に麻未がお見舞いに行きます。

そして…

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