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やきもち去って腹が鳴る

フー…普段はほとんど飲まないんだけど、今日はちょっとだけ飲んだ…

顔が熱い…

優介が私を抱えるようにして腕を組む…

アハハハハ…私ちょっとだけ酔っ払ってる…

長谷川さんと黒崎さんは酔いつぶれたリンさんを送ると言って、タクシーに乗って消えていった…

私達は天気もいいから、もう少しだけ2人で歩くことにした…


繁華街の中はきらびやかなネオンが渦を巻く…

時間はもう午前3時を回っていた…

この時間だとみんなかなり酔ってる時間だから、私の横にいるのが神楽優介である事にあまり気付かないだろうな…。

私はそんな事を思いながら、優介から少しはなれて一人で歩いていた…

優介はそんなほろ酔い加減の私を見て優しく微笑んでいる…


あれ!?…なんだか騒がしい…

私達のいる所よりも3軒くらい先に人だかりができていて、罵声が飛び交っていた…

その人だかりから、一人の男が飛び出してこっちに走ってくる…

え!?ちょ、ちょっと???なんで?ちゃんと前向いて走れ〜!

その男が、私にぶつかってきた!!!

走っていた勢いもあって、その男と抱き合う形でアスファルトの上に転んだ…

私の目の前に男の顔!?

あれ!?

優介は私の上になってる男を掴みあげて、襟元を掴み上げ、睨みつける

「俺の女になにするんだよ!」

優介は背が高い、掴まれた男の足が宙に浮いてた…

「な、永井君?」

私は立ち上がりながらそう言った

「知ってるのか?…」

優介のその言葉に私が頷くと、優介は力を緩めて、永井君を地面に下ろした

「コノヤロウ!!待ちやがれ!!!」

後ろから大声を上げながら数人の男達が追いかけてくる!

優介は私の手を握って、永井君を見た…とゆうより睨んでる

「ついて来い!」

一言そう言うと、私の手を引いて思い切り走り出した!

うわぁぁぁ〜!!!足が速い〜!

私はこけそうになるのを必死で堪えながら走る!

角を何回も曲がって…最終的に大きな茂みの中に飛び込む

永井君も一緒の飛び込んだ!

ここはどこか公園の中かな…

永井君を見ると、唇を切ったらしくその部分を押さえながら痛そうしていた…

「なんでケンカなんか?」

私はそう言いながら、鞄からハンカチをだして、切った部分に当てる…

「ちょっとね…」

永井君はそう言いながら痛々しく笑う

「ところで、どうゆう関係なのかな?」

優介のイライラした声が私の耳元で聞こえてくる…

こ、これは不味い状況だわね…

「え、えっと…店のお客さん…」

私の声はついつい小さくなってしまった

「へ〜…ホ〜…」

優介は永井君を睨みつけながら、冷たくそう言った

「お前は、もう一人で帰れるよな?じゃあな…」

優介はそういい捨てると、私の手を思い切り引っ張りながら歩き始めた

永井君はそんな私に手を振りながら笑っていた…

ハハハハ…アイツ…人事だと思って…


「ただの客にあんなに優しくするのかよ!」

優介が怒ってる…

だけど本当の事を言ったら、もっと怒るだろうし…

何もいえない…

優介は私に背を向けると一人でスタスタと歩き始めた。

私は声をかけることも出来なかった。

声をかけたら、優介から怒りの矢が放たれそうなそんな雰囲気で、声をかけることが出来なかった。

私は優介から一定の距離を保ちながら後ろを歩く…


優介が立ち止まる!

私も立ち止まる…

優介が後ろを振り返り私を見る!

まだ目が怒ってる…

そしてまた歩き始める

私も歩き始める…

そんな事を3回ほど繰り返した…


優介は一軒のラーメン屋の前に止まる、そして私の方を振り返った

「入るぞ!」

その言葉に私は優介に駆け寄り、一緒のお店に入った

向かい合って席に座る…優介はラーメンを一杯だけ頼んで、そのあとは何も言わずに無言…

私が何か言ったりしたら、何か言われそうで、私も黙っていた…


ラーメンが私達の目の前に運ばれて来た…

優介は割り箸を手に取り、黙々とラーメンを食べ始める…

あ、あの…私の分は…

「お前のおごりだから」

優介は箸を止めて一言ポツリとそう言った

で、ですよね〜…

私は優介がラーメンを食べ終わるまで、ただ向かいに座って何も言わず黙っていた。


優介はラーメンを食べ終わると先に店を出る。

私も代金を払って、急いで店を出る!すると店先で優介が私の出てくるのを待っていた…

「帰るぞ…」

優介はそう言って、手を差し出す…

私はその手に優しく触れる…次の瞬間、優介が私の手を握って自分の方に引き寄せて、私を抱きしめる…

私の中に安心と温かさが広がる

「ごめんな、やきもちやきで…」

優介の優しい声が私の頭の上で響いた

う〜んいい匂い、ラーメンの匂い、おいしそう…

こんな事を思う私って不謹慎かしら?

グ〜…

その時、私のお腹の虫が小さな鳴き声をあげた…ハハハ鳴いちゃったよ

優介は私から離れて、口に手を当てて笑いを堪えていた…

「お前って、色気より食い気だろう?」

そう言いながらニヤニヤ笑ってる…

どうせ私には色気は無いですから…


私達は手をつないでゆっくりと歩き出した。

途中のコンビニで優介に肉まんを買ってもらって、頬張りながら歩く…

ウフフ…美味しい!


空には星が瞬き、綺麗に月が出ていた…




永井の出現によってやきもちを妬く優介…

やきもち…人間にはどうしてこんな感情があるのだろう?と

ちょっと疑問に思ったりする…

無い方が楽なような気がするのは私だけだろうか?

次回は永井がケンカしていた理由が分かる!

そしてそれを切っ掛けにして、優介の永井を見る目が変っていく…。

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