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竜巻男 現る

「あの女の子達に感謝しないとな」

金髪の男の人はそう言った。

私はその言葉を聞いて、怪訝に思う…

「麻未さん、俺の事覚えてない?」

男の人は私の顔を覗き込みながらそう言った。

なぜ私の名前知ってるのかしら?

私は記憶の糸を手繰って、思い出そうとしたけど、思い当たらなかった。

私が首をかしげていると、男の人は顔を手で覆う

「悲しいな…ほとんど毎日花屋に行ってるのに…」

え!?お客さん…なの?毎日?…

私は数秒考え込んで、一人だけ思い当たる人を見つけた。

顔をもう一度よく見る…

「あ〜!!!!バラ一輪の人!」

思い出した!ほぼ毎日、バラを一輪だけ買って行く人だ!

「でも最後に見たときは髪の毛、黒でしたよね?」

「ちょっと気分転換!」

男の人は前髪を触りながらそう言って笑顔を浮かべる


「今日は、本当にありがとうございました」

私はその男の人に深々と頭を下げる

「本当に感謝してる?」

「もちろんです」

「そう…じゃあお礼をしてもらおうかな…」

男の人は意味ありげな笑みを浮かべてそう言った。

「私にできる事ならなんでもします!」

「じゃあ、僕とつきあってくれる?」

一瞬、耳を疑った?…つきあってくれる?って言ったよね?

私はゆっくりと、その男の人が言った言葉を頭の中で噛み砕く…

そしてやっと内容を把握してた。

「あの〜…付き合いたいってゆうと恋人としてとゆう意味ですか?もしそうならまず自分がどこの誰なのか名乗って頂かないと…ちょっと失礼かな…と」

私は突然言われた事に戸惑っていたのか、だけど、どこの誰かも分からない人にいきなり告白されても…やっぱり驚くし、ちょっと怖い…。

「あ!ごめん…僕の名前は永井涼、この先の美容室で見習いやってます!今花の22才!ずっと、ずっと好きでした!付き合ってください」

今度はまともに自己紹介付きの告白だった…

でも私には心から愛した人がいる…。

「…やっぱり僕じゃ駄目かな?…そんなに神楽優介がいいの?…あんな悪い噂があったやつなんか止めて、僕にしたら?」

私の表情から、私の気持ちを悟ったのかそんな事を言った…聞き捨てならない言葉…

この言葉に、私はもの凄く腹立たしさを感じた。

「あのね…神楽さんをどう思うかは個人の自由だけど…その考えを私に押し付けるのは止めてもらえるかな?…じゃあえっと、永井君だっけ?永井君に聞くけど…22年生きてきて、悪い事を一度もしなかったって自信を持って言える?…嘘をついたり、女の子を泣かせたり、ケンカしたり、人間生きてれば色々な事があるのよ…大なり小なり、叩けばそれなりに埃がでるのが人間じゃないの!」

私はできるだけ、怒りを抑えながらそう言った。

神楽さんのために言った言葉じゃない…自分自身を守るために言ってる言葉だとゆうことは自分が一番よくわかっていた。

過去の傷を守るために言った言葉…

「…かなわないな〜…好きってゆうより、愛してるって感じじゃん!…でも僕はあきらめないよ!これでも人一倍根気だけはあるんだから!」

永井涼は明るい笑顔を見せながらそう言った。

「そう…勝手にしなさい…どんなに頑張っても、あなたの入るスキは出来ないわよ!」

私がそう言うと、永井涼はふてくされたように、口を尖らせる。

「…あ〜あ、釘刺されちゃったよ〜、だけど未来の事は誰にもわからない!」

そう言いながら、人差し指を立ててニコニコ笑っていた。

「そうね…それだけは認めてあげる」

私もなんだか話してるうちについつい笑えて来ちゃった…。


「あ!今何時だ?」

永井涼は慌てて自分の腕時計を見る。

「大変だ!遅刻する!麻未さん、今度、髪の毛カットしにでも来て!僕の愛しの麻未…」

永井涼はそう言って、投げキッスしながら走り去ってく…。

思わず、私は吹き出した…。

突然現れて…また突然消えていく…まるで竜巻みたい…。

だけど、不思議と嫌な感じは残っていなかった。


あれ!?…あれれ!?…どうしよう???

ここはいったい何処?

私って、お酒とか飲む人間じゃないし、こんな繁華街に来たの初めてで、元の大通りに出るにはどうしたらいいの〜???

方向音痴の私…頭の中はパニック状態!!

この私をおいて行かないでよ〜!!!

心の中で叫んだけど…聞こえるはずも無く…しょうがないから人を探して歩く事にした。

悲しい事に、朝の繁華街は意外に人が少ない…。


私はため息をひとつついた…。

人を助けるなら、最後まで責任持ってよ…

そんな勝手な情けない事を心の中で呟いた。



優介にライバル出現!

でも麻未の気持ちが揺らぐはずも無い。

この3人の関係がこの先どうなって行くのか…

次回は麻未のアパートに優介が現れる!

そこで優介が麻未に言った言葉とは?

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