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またもや遅刻(--;)

前話の最後を少し変更していますので先にそちらを確認してください。

今回短いです。


2016/1/10 一部変更、誤字修正 ※展開に変更はありません

「そんなわけで長いこと燻っていたが、昨日久しぶりにまともに話をしてな。

今までのことも含めてしっかりと話し合った。」


そうしてオルドは微笑みながら右手に持った槍を見つめる。

剣ほど使い込まれた感じはないが、しっかりと手入れをされていることがうかがえる物だ。

昨日今日買ったものではないことは素人が見ても判断できる。

であるのなら・・・・・・


「この槍はモーリスとパーティーを組む前に使っていた槍でな。もう意地を張る必要も見栄を張る必要もなくなったからな、もう一度こいつの世話になることに決めたのさ。」


やはり、か。

今のオルドには剣を持っていたときのような苛立ちや焦燥感は見られない。

吹っ切れたからというのもあるのだろうが、メインウエポンが自分の手に馴染むものになったから自信がついた・・・・・・いや、取り戻したのだろう。


「そっか。・・・・・・やりだったらオルドもそこそこつよいとおもうよ。」


ぶっちゃけ、槍のレベルの方が高いからな。


「このガキ生意気言いやがって!」


腕を振り上げて怒るような素振りを見せるオルドだが、顔は笑っている。


「たすけてモーリスー」


だから俺も赤ん坊が歩くような速度でゆっくりと宙を移動する。大袈裟な身振りをしながら。

それを見たまわりの大人連中が誰とはなく吹き出した。それがまわりに広がって気付けばギルドにいた全員が笑顔になっていた。

オルドもモーリスも穏やかな笑顔で顔を見合わせて笑っていた。


◇◇◇


ギルドの地下訓練場に数人のざわめきと、何人かの人の姿があった。

みんなでひとしきり笑いあったあと、おもむろにオルドが俺とモーリスを訓練場に呼び出したのだ。

用件は下で話す、とだけ言って。

それは別段密やかに行われた会話ということはなかったため、聞き付けた幾人かの冒険者達が呼ばれてもないのについてきていた。


訓練場の中央に立ったオルドはこちらに背を向けていたが、その身に纏う雰囲気は先程までのものとも、もちろん以前のものとも違う張りつめたものだった。


「・・・・・・」


振り返ったオルドはモーリスを真剣な表情で見つめる。

場の緊張感がどんどんと高まっていく。

モーリスはオルドの視線を受け、自らも真剣な表情を返してオルドが口を開くのを待つ。


「モーリス。俺と本気で勝負してくれ。」


その言葉は場の緊張感をさらに引き上げた。


「ヒロは悪いけど立会人になってくれ。」


なるほど、俺は二人の勝負を見届ける役か。


「わかった。」


俺はそれを引き受けた。

モーリスからの返答はまだない。


「俺は一度モーリスと本来の得物で戦ってみたかったんだ。」


「・・・・・・わかった。」


オルドの言葉に覚悟を決めたモーリスは、勝負を引き受けた。


「遠慮も手抜きも一切なしだからな!本気のお前とやりあいたい!」


モーリスの躊躇いを表情から悟ったオルドは先んじて言葉を紡ぐ。

モーリスは今度は覚悟を決めた表情で深くうなずいた。


◇◇◇


相対する二人が闘技場の中央で向かい合う。

その間に開始の合図を出すために俺が立っていた。


「それでは・・・・・・はじめ!!」


こうしてオルド対モーリスの戦いの幕が上がった。

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