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恋をしていた証拠
失恋をした瞬間、心が酷く濁った様な気がした。
振られても良い、ただ気持ちを伝えたい。
そう思っていたのに泣いているのは、あわよくば付き合いたいという心があったから。
振られてしまえば、全部終わり。
何も残るものがない。
そう思っていた。
でも全部、私の中から消えない。
貴方が好きだという想いも、感じていた胸の高鳴りも。
全部全部残らないはずなのに、私の中には全部残っている。
これはきっと、まだ貴方を愛している証拠。
私が貴方に、恋をしている証拠。
振られても変わらない、愛の証拠。
きっと、何が起こっても消える事なんてない。
だから私は、貴方の背中を見続ける。
これから先、貴方が私を見てくれる事を祈って。