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狂乱の【ウエポナー!】  作者: 拝 印篭
破章 異世界のいかした人々
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第十五話 「よいこのみんな~ 借りパクはーダメダメ」

「さて、まずは、お前の適性を見なきゃ話にならないな」


 魔王さまにそう言われて、この際だから例の問題をぶっちゃけてみることにした。もしかすると、打開策があるかも知れない。


「実は、神様から言われたんですけど、僕、普通の武器の類は使えないらしいんですよ。何でも、精神的にブレーキが掛かっているらしくて、ただ、絶対攻撃が出来ない訳じゃないらしく、相性のいい攻撃方法なら大丈夫らしいのですけれど、何かいい武器になるもの無いですかね?」


「なんだよそりゃ! そんなもの、この中にあるかなぁ?」


「以前、パイプ椅子で人を殴ったことはありますけど……」


「うーん、とりあえず、片っ端から使ってみるか」


(そういえば、俺、アイテムボックス持ってたな。何か入ってないかな? オープン!)


 ずらずらと目録が目の前に展開された。げ! こんなにもってきてたのか? でも、ここに入ってる物ってもしかして


「どうやら、浜松アリーナの備品ぱくってきちゃったみたいです」


「はぁっ? なんでまたそんなもの?」


「実は、むこうの世界で最後にいた処なんです。そこである事件に巻き込まれてむこうの世界では死んでしまったんですよ俺。で、その瞬間に転移して、神様に会ったんです」


「ふーん。俺様の時とは随分違う経緯で来たんだなぁ、お前」


「魔王様はどうしてこちらへ?」


「特にどうもなくある日突然転移したんだ。他の落ちものに聞いてみると大半は、そんな感じの災害に巻き込まれたみたいな奴ばっかりだったな。中には、町ごと転移した例もあるらしいが」


「はあ。つまり、僕の場合はレアケースなわけですね?」


「ところで、どんなもの持ってんだ。何か使えそうなものあれば買い取ってやるぜ! 希望としては、自動車とか、バイクとか、パソコン関係でもいいな」


「……すいません。そういったものは流石に無いですね。一番多いのは、パイプ椅子が999脚、舞台用のピンライトが八個、スポットライト1セット、設営用のハンマーが一つ。あとは、鉄柵が40ユニット分とか」


「見事にガラクタばっかだな。でも、スポットライト関係は、使えるかもな。おい、その辺のもの買い取ってやるから、一度全部出せ! そんで装備はいいものを持っていけ!」


「ほんとですか? ありがとうございます。早速出しましょうか?」


「おう! 頼む」


 ずらずらとピンスポ八個とスポットライト、鉄柵、パイプ椅子、なんかを出していく。ご丁寧にパイプ椅子は全部畳んであった。


「ふむ、なんかのイベント中だったのか?」


「ええ、まあ、サーカスに居たんですよ、僕。で、その興行中にある男の所為で暴動が起きて、その最中に殺されたんですよ」


「ええええっ! そんなかわいそう! まだ、こんなに小さいのに」


 オードリィ様に同情された。もしかして、死んでから初めてじゃないかな?


「まあ、今はこうして無事なんですから、ご心配かけて申し訳ありません」


 しかし、小さいかな? 俺。確かに身長150ちょっとしかないけど。


「もしかして、その服、クラウンなの?」


「クラウンという程偉くはないです。ただのピエロですよ」


「うーん。その服も邪魔か? 買い取ってやろうか?」


「いえ、これは流石に持っていたいですね」


 これ位は思い出に持ってたいよな。 


「よし、この辺のもの纏めて10万ドロップで買い取る。向こうの価値で一千万くらいだ。そんで、半分出せば罰金も払ったことにしていいぞ。どうだ?」


 ってことは、500万只で手に入るのか。悪くないどころかいい条件だと思うけど……


「ダンジョンには入りたいです。出来れば罰金は最初の条件で支払うことにさせて下さい。この世界でどこまでできるのか確認したいのと、可能な限り早くレベルアップをしたいので」


「ん? そうか。じゃあ、まずは、武器からいくか!」


 そう言って奥のほうにある武器庫に案内された。


「先ずは、この剣を振ってみろ」


 そう言って手渡されたのは、結構質の良さそうな鋼の剣であった。

 持つことはできるみたいだが、振るとなると……


 う、重い。武器として意識してしまうと一気に重く感じるようになった。


「うーっ、どっせぇぇぇぇぃ!」


 ドスン、と床に穴を開けてしまった。何とか振ることは出来たが、毎回これでは役には立たない。


「ダメだな。力が足りないんじゃなさそうだが念のため。オードリィ! お前の守り刀ちょっと貸してやってくれ」


「はい、どうぞ。希少な素材で出来てるので大事に扱ってね」


 オードリィ様の守り刀、大事に使わなきゃ。ぶん! と振ってみる。


 さっきの剣よりもスピードはある、が、しかし


「何だ! 腰の入ってない動きだな。それじゃ、ゴブどころか、ゴキさえ殺せねえぞ」


「はぁはぁ、すいません。ダメみたいです」


 守り刀をオードリィ様に返すと、ようやく楽になった。


「じゃあ、これならどうだ肥後守」


 短いナイフと鉛筆を借りて削ってみる。これなら大丈夫かな?


「じゃあ、これで打ち込んで来い」


 魔王様が、言ってくれたがどうだろう? 肥後守を持って相対したとたん、心拍数が上昇した。


「すいません、これもヤバそうです」


「難儀な話だな」


 ほんと、一体どうしたらいいんだろうか?







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