第十話 「恐怖の個人面談 清水大樹の場合」
「ほんと、小さな男だよねぇ。君って奴は」
それと、ほぼ同時刻。僕は、いま一人のこの世界への闖入者、清水大樹を尋問していた。
最初、相当暴れたので、今は両腕と両足をねじ切って達磨状態にしてある。
そしたら、今度はギャーギャー痛いのなんのって煩いこと。散々他人に対して痛めつける暴力を奮って生きてきた人間とは思えないほどの甘ちゃん振りだね。
「過去、二人の人間を自殺まで追い込み、賠償を迫る遺族には、逆に名誉棄損で訴え、裁判官を味方につけて勝訴をもぎ取る。んで、君自身は焼け太りかよ。ほんと、すくえねぇ」
「ふ、ふん! 弱いやつが悪いのさ!」
「その割には、弱弱しい虚勢の張り方だね。やられる立場になってみて、どうだい? 今の気持ちは?」
足をねじ切った所を足で踏みつけぐりぐりする。
「ひぎぃーーっ! らめぇぇぇぇーっ!」
全然萌えない。ってか、やらなきゃ良かったかな。
「弱い君が悪いんだよね。じゃあ、君のこの体たらくは君自身のせいに他ならないんだよね」
「お……まえ、が、ぐっ! 俺の手足を、ご、ごろじで、や、りゅ」
「出来もしないことを偉そうに語るなよ。だっせぇ!」
ばきっ! つま先で顎を蹴り飛ばす。口の中を切ったようで血の飛沫が飛び散る。
「面白くない。何か芸をしてもらおうか」
念動力で奴の体を持ち上げ二十メートル程の高さから落とす。
ひゅー どすっ!
普通に落ちてきただけ。生かしてはいるけれど既に瀕死である。
「おいおい、他人におもしろ動画のネタになってもらっておいて、自分はそれかよ。」
へんじがない。ただのしかばねのようだ。
「仕方ない。ま~た、生き返らすのかよ」
僕は、そこらを浮遊している清水某の魂を鷲掴みにして、無理やり奴の肉塊に押し込めた。
蘇生した奴は、情けなくも涙と血で顔をぐちゃぐちゃにしながら
「どうして、こんな目に合わなきゃならないんだ!? 俺が何をしたっていうんだよ、ぐべっ!」
不快さに思わず蹴っちゃった。てへぺろ。
「そうやって、しらばっくれて生きてきたのは君の勝手だがね。何故周りの人がそれに付き合わなきゃいけないのさ。お前なんかの幻想通りに生きてやる義理のある人間なんて、どこにも居ないんだぜ!」
そう言って肩をすくめる。
「結局、お前の動機は、他人が自分の思う通りにしてくれないのが嫌で、しかも、その解決方法に暴力を使っていたってだけさ。それの通じない人間がいたら、殺せばいい、か。結局七人殺して、暴動まで扇動して、君自身は戦略目標を達成出来ないままここでいたぶられている、っと」
「どういう意味だ?」
「君の父親ね。無罪放免。栗栖くんも、ね。警察は、君に踊らされて業務妨害。その分の損害賠償を勝ち取った父君は、今まで以上の焼け太りだよ。一方、君は、唯一の仲間三人を失い、松崎女史にも愛想をつかされた。収支は、どう見ても君の一人負けだ」
「くっそぉぉぉぉぉぉっ!!」
「吠えようが、どうしようが、君の負け。第一、僕は栗栖くんは保護するけど、君は、処分方法を考えてるだけだからね」
「し、処分? ……」
「流石にその言葉の剣呑さくらいは理解できるか。まあ、あとの二人とも相談して決めるけどね。……
だから、大人しく待っていたまえ。予後不良となった君の処理方法が決まるのを、ね」
そうして、今一度、清水某の首を吊り下げ、即席の十字架に括り付けた。
この作品は、内容に危険な要素が多数含まれます。
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