ヤニ
笑い声高らかにあげ、悲しみ隠す。
亡骸抱き寄せてそっと、目玉舐める。
狂気じみた瞳ひそかに、揺れてた。
枯れそう嘆く野草、自分を重ねた。
嫌だと一声なのに、舌がもつれて……
唯一の救い自傷、煙たがられる。
空が堕ちて地が跳ねる、そんな世界夢をみる私。
馬鹿だね、知ってるそんなこと。
無意味な行為、存在価値ほしくて繰り返す。
解答がほしいの、正しい赤で治してね。
消えない魔法、白馬のピエロ。
飽食された子牛、ミルクがなくて焼かれ残る骨。
うるさい鼓動、誰かとめてよ……
砂時計みたいな足元くらむ、記憶わるくて。
私はだれって、それが特技ですって。
忘れたくて注射し、道化師に変身。
嫌だってふる頭、中身はすでにとんじゃって。
瑠璃色とかじゃない、淡白でシンプルなもの。
揺れて消えるはずの幻想、いつしかそれに囚われた。
どこかで見かけた光が、夢だと知りつつも愛す。
流れる星ぶつかる矛盾、立ち尽くし止めてみる。
散らばったガラクタ、集めてはぶちまけた。
終わりにしたくない、時が過ぎてく。
いまが思い出に変わる、割れてしまう月。
ふわりと香る、汐がひく。
こだまする声懐かしく、ヤニのように媚びりつく想い。
帰り路忘れて尋ねる、尽きた花火の儚さ。
利き手から冷えていく、爪先霧隠し。
どうでも良いよと、自由を指示する。
快楽を嫌い求めて、汚れる自身に酔いしれ。
呼ぶ声絶ちきり、ひとり桜を見つめるの。
幻で良いから、壊れてしまうとしても。
ふわりはらりと堕ちて重なった、思い出をどうかもう一度……