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掴め!?幸運のラッキービッグ《4》

でこチューをされてしまいました。

でこチューをされてしまいました。

でこチューをされてしまいました。


いやいやいや。


なんで?

この世界では挨拶なのだろうか?


「同性に口づけられるのは不快か?…すまない。祝福の魔法を使うにはそれが一番効果が出やすいのだ」


少しだけ申し訳なさそうな表情をしてお兄さんが言う。あんまり大きく表情を変える人じゃないんだな〜、と思う。


(…いや、そうじゃなくて。)


ツッコミ所が多すぎて関係ないことを考えてしまった。


「言葉がわかる…」


そう言った自分の言葉に違和感を覚える。

…今自分は何語を話した?


「祝福の魔法をかけさせてもらった。勇者がこちらの世界に来たときに、すぐに言葉を理解しただろう?」


それと同じものらしい。

わざわざかけに来てくれたのだろうか?


「ありがとうございます!」


勢いよく起き上がったら、腹の上に乗ったままだったビィが転がっていった。


「わぁっ!ゴメンっ!ビィ」


ビィはグゥと不満の声を上げたが、膝の上によじ登って許してくれた。

本気で懐かれたみたいだ。

お詫びに餌を拾ってビィに与えつつ、お兄さんの話を聴く。


お兄さんいわく、祝福の魔法はかけられたほうの意識に強く左右されるもので、いくらお兄さんが魔法をかけて(しかもそれが成功したとして)も、オレに言葉を覚える気がなければ効果はあまりないらしい。

逆に言えば、覚える気があればあるほど理解するのが早いらしい。


「それだけ君が頑張ったという証拠だ。かけられてすぐに効果が出るなんて珍しい」


これは褒められてる…のかな?

なんだか恥ずかしいというか嬉しいというか…


あれ?でも夢の中で会ったあの人からも祝福の魔法をかけてもらった気がするけど…


「祝福の魔法って言葉がわかるようになる魔法なんですか?」


オレの多分初歩的な質問に嫌そうなそぶりも見せず、お兄さんは丁寧に教えてくれる。


「いや、そうとは限らない。今回は私が言葉の疎通を願ったためにその結果になった」


そうなのか…

だとしたら、夢の中のあの人は何を願ったんだろうか?


「…やはり。誰かに祝福の魔法をかけてもらったのか?」


やはり?

疑問形なのに断定とは…何かそうするだけの結果が目に見えているのだろうか?


考えてもわからないので、夢の中であったことをお兄さんに話してみる。


「世界に祝福をもらったのか。どおりで…

一日持ちそうにもなかった君が今日はとても元気だから何故なのかと思っていた」


世界?スケールでかいな。

お兄さんはあっさり言ったけど、それって普通のことなのか?

っていうか。

………オレって一日持ちそうにもなかったのか。

だから金髪美少女たちが同情してたのか…


(そうとうヤバかったんだな…

祝福と加護をもらえたから生きてるってことかな?)


「そうか…。この世界の住人になったのだな」


しみじみとお兄さんが呟く。その顔は少し嬉しそうだ。


(喜ばれてるのかな?だったら嬉しいな〜)


「これからどうするのかは…もう決めているのか?」


オレの横に座り込みながらお兄さんが聞いてくる。

その言葉に、少し考えたくて視線をビィに戻す。ビィは満腹になったからか、膝の上で丸まって寝ていた。


「…とりあえず、働けるところを探そうと思ってます。できればいろんな所を見て回りたいので、移動しながら働けるような仕事があれば理想的なんですけど…」


せっかくだから世界を見て回りたいのだが…なにはともあれ、お金がなくては話にならない。

ゲームでいうところの冒険者ギルドとかあればマジで理想的なのだが。

まぁそれがなくても、お兄さんが言葉をわかるようにしてくれたおかげで、選べる職種が増えたのでなんとかなるかもしれない。


「それだったら…」


と言うお兄さんの話を聴くと。この世界にも冒険者ギルドらしきものがあるらしい。ラッキーだ。

討伐系のは出来そうもないが(剣も魔法も使えないので)街の中での依頼を受けて地道に稼げばなんとか生活出来そうだ。


「ありがとうございます!これだったら何とかやっていけそうです。早速ギルドに登録してみます!」


「最初は大手のギルドに登録するといい。」


そう言いながら、お兄さんはベルトについた小物入れっぽいところから梨っぽいものを取り出した。


…………ん?

なんだか大きさがおかしいけど?

そんな小さな場所から手の平大のものが出てくるのおかしいだろ?


(魔法……なのかな?)


お兄さんがくれると言うので梨っぽいものを受け取る。味もやっぱり梨っぽい。さっぱりしてて美味かった。


「それ、魔法ですか?」


あんまり質問はしないようにしようと思っていたけど(ウザがられてもいけないので)好奇心が抑え切れず、つい聞いてしまった。

ら、お兄さんは一瞬びっくりしたように動きを止めた。


(…もしかして聞くのもバカらしいぐらいの常識?)


「…ああ。これには循環の魔法がかけられている。収納したいと願えば勝手に収納されるし、出したい時はその物を思い浮かべながら出したいと願えばいい。

入れ物自体は小さいが、中の空間は広いからどんな大きな物も入れられる。」


あ〜…簡単に言うと、四次元ポケット的なアレか?


「荷物がかさ張らなくて移動するのに便利そうですね」


いいな〜欲しいな〜

異世界トリップの主人公たちはたいてい自分で作ったりしてたけど…

オレは魔力あんまりないから作れないだろうし。

売ってたりとかすれば買いたいところだ。

……あまり高いなら買えないけれど……なんて考えてたら、


「大手のギルドなら、登録すれば貰える」


お兄さんが親切に教えてくれた。

なんだ。それを早く言ってくれ。


「…もしかして君は魔法の使い方を知らされていないのか?」


…知らされるもなにも…

魔力があんなに少ないと魔法は使えないものなんじゃ…?

と、いうことをそのまま伝えたら、


「世界から祝福と加護を与えられた者が、魔法が使えないなんてことはありえない」


だそうです。


マジで?オレ魔法使えるの?






ぃやった――――――っ!!

希望の光っ

やっぱり使ってみたいもんな!魔法っ!

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