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掴め!?幸運のラッキービッグ《2》


「おぉ〜」


集合場所になっているらしい外の広場に行くと、大勢の人が集まっていた。

おそらくここにいる全員が、今日のイベントに参加するのだろう。

ほとんどが男ばかりで、女性は数える程しかいない。


(女の人は魔王退治には行きたがらないってことか?)


そんなことを思いながら見回していたら、深沢が走り寄って来るのに気がついた。


「高崎!」


深沢がオレの名前を呼んだとたん、回りからたくさんの視線が突き刺さった。


(………なにかなコレは?)


まさか…深沢、変なフラグ立てたんじゃないだろうな?


まわりはともかく、深沢は普通に今日のイベントの詳細を説明してくれる。


要約すると、

近くの森にある何か(興味がなかったので宝物?の詳細は聞き流した)を持ってスタート地点まで戻ってくること。持ってなくても夕方までには戻ること。指定の時間までに戻れなければ、どんな理由があろうと失格となること。

そして何と…森の中にはトラップが仕掛けてある…らしい。


(…もしかしたら思ったより危険…?)


「私と高崎はそんなこと関係なく自由に参加していいって言われたけど……トラップが多いらしくて、高崎にはキツイかも…」


どうする?と聞かれてオレは速攻返事をする。


「参加するに決まってんじゃん?」


いくら危険っていったって、まさか命の危険ってほどでもないだろう。多分。


(なんとかなるなる!)


ただチートな勇者様にはついていける自信がなかったので、深沢には別行動をお願いした。


「で?どうやって選ぶんだ?」


巻き込まれたら堪らないので、深沢の行動を一応把握して置こうと思い聞くと、深沢はにやりと笑った。


「もう選んだよ。あとは他の人に、指定の時間を過ぎてからゴールしてくれるようにお願いするだけ」


『お願い』が何を意味するのかは、あえて聞かないでおいた。

というより、その顔は勇者がしていい表情ではないと思う。


そこまで話し終わると、ちょうどスタートの合図が響き渡った。

その場にいた参加者の皆さんはなぜかオレを睨んでから森のほうへ駆け出して行く。

もしかしてライバル認定されたとかだろうか?……いや、ないな。だってオレは金髪少女より遥かに弱いんだぜ?…自分で言ってて泣けてくる事実だが。


(まぁとりあえず。森に行ってみますかね?)


なんだか地元の人たちと交流とかって無理そうな雰囲気なのだけど……と思いながら、深沢と分かれて森に入る。


……………

……………………


はい、ここで質問です。

なぜにオレはごっついおじ様方に追い掛けられているのでしょうか?


(なんでっ!?オレより先に森に入ったはずの人達が後ろから来るんだよっ?)


まぁ、普通に考えれば待ち伏せをされていたのだろうけれど…


(もしかしてアレか?!この大会ってサバイバルなのか!)


一番弱そうなオレから潰そうという狙いなのかもしれない。


「オレ参加者じゃねーし!オレ潰しても意味ないですよー」


…なんて言っても通じるわけないのだけど。


後ろのおじ様方の言葉ももちろんわからないのだが、聞いてるうちにある単語が頻繁に出てきてることに気がついた。


「ーーーユイ!ーーー」


(…ユイ?ん〜なんだか名前っぽい?)


…………

……………あっ!わかった!!

深沢のことか!

たしかあいつの名前がそんなだったはず。


(なんで深沢の名前連呼しながらオレを追ってくるんだ?)


よくわからないが、あまり友好的な雰囲気ではなさそうなので全力で逃げることにする。


ただまっすぐ走ってもすぐに追いつかれそうだったので、右に左に不規則に走り森の木々を利用し撒く。


時々後ろから聞こえる悲鳴を無視してひたすら走ったら、いつの間にかおじ様方はいなくなっていた。


(トラップに掛かったのか?…ラッキーだけど…)


ぐるりと四方を見回す。

深い森の中。どこを見ても木ばかりだ。繁る枝葉に空も見えない。


(………もしかして、迷った…?)


冷や汗が流れる。


うわ。

うわ〜……






………………マジかよ?

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