桜、散るまで
はらり、はらり……。
舞い散るは白の花弁。
風に揺られ、花は舞う。
ひらり、ひらり……。
舞い踊るは桃の妓女。
囃子に合わせ、花は舞う。
舞い散る花は、何を想うか。
永遠に舞うことを願っていたのか。
それとも、一世風靡し散ることを望むのか。
ゆらり、ゆらり……。
舞い盛るは黒の殿方。
花散る中で、妓女を買う。
踊れ、踊れ、咲き狂う乱れ桜。
出世が約束された身で、花を選ぶ。
花に選ぶ権利などない。
買われる妓女は、香をつけ紅をつけ。
今日もまた、まわる、まわる。
私は桜。
散りゆくときまで、咲きましょう。