もる子と七億兆万院さん2
ざわざわと、もる子ちゃんの挨拶のときとは違って少しクラスがざわめきます。
「七億兆万院ってあのなんか凄い会社の七億兆万院さん?」
「総資産5000兆円の?」
「自宅が東京ドーム7800万個分の広さがあるって本当?」
「少し前にどっかの国ごと買収してたよね」
などとヒソヒソ聞こえてきます。
ですがもる子ちゃんの耳にはこれっぽっちも入っていませんでした。
っやややややややややややああああああぁぁ!?
口には出さずとも、もる子ちゃんはそう心から心で叫び、反社会!反社会だ!
と反復します。愚かですね。
「2分前にここに転校することが決まった七億兆万院来姫さんです。みなさん仲良くしましょうね」
と先生がクラスメイトに告げました。
2分前って何?わからないけど金持ち感が凄い!でも七億兆万ってちょっと小学生みたい!と、もる子ちゃんは心でツッコミましたがそれどころではありません。
いまは反社会的な250億の靴紐に脳が支配されています。
ここで出会うわけには行きません。
次あったらどうなるかわかったものではないですもんね。
でもそうは行きません。
「七億兆万院さんの席は、一番うしろ窓際の席です」
空いている席は一つしかありません。もちろんそれはもる子ちゃんの隣です。
どうしようどうしよう、やられる!やられる!という焦りに全身を縛られたもる子ちゃん。
ですが反社会的な250億円の靴紐こと、七億兆万院さんの足音はどんどん近づいてきます。
そこでもる子ちゃんは一計を案じました。
最新話までのキャラ紹介は1話に載ってますのでよかったら。