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鳥類元年のペンギンたち

作者: 深川牛頭

AIイラストです

挿絵(By みてみん)


 「ァァ、困ったなあ...」私はつぶやく。

 血眼37564年、突如人類に反旗を翻したペンギンたち。町を壊し、工場を爆破し、人々を物量で圧殺していく。止まらない自然破壊、汚れていく一方の海にストレスが溜まっていたらしい。確かに最近「かわいいかわいい」と道端でもみくちゃに撫でまわされる野良ペンギンたちは皆静かに涙を流していた。

 だからそんなペンちゃん達が現状を打破するために人類駆逐を始めたとしても文句は言えない、とは思う。ペンちゃん達はかわいいから人間許しちゃう。

 ただ困ったことが一つ。ペンギンたちはこの反乱のリーダーに私を据えたのだ。原因は当然私のあふれ出るカリスマ性にあるのだけれど、あえて言うなら、彼らが反乱を開始したとき、たまたまペンギンの被り物をしていたこともあったのかもしれない。舞台役者である私がペンギンCの役になりきり本番に向けクエクエ練習していたら、ペンちゃん達は「こいつは自分の仲間だ!」と思ってしまったらしい。体が大きいからお前リーダーね!って感じだろうか。

 よく見ると獰猛な鳥類の目をしたペンギンの群れ。よく見ると可愛くもなんともない肉塊に押しつぶされる同胞たちを見ていると、私はだんだん怖くなってしまった。

 鳥類元年を生きたくはない。

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