第3話 とある漁師のお話
いつも通り早く起き、誰にも見送られることなく家族を起こさないように静かに家をでで、港へと歩き出す。
港にはいつもの仲間が待っており、ボロ船に乗って漁へと向かうのであった。
いつもより少し波が強いかと思いながら仲間が操船しているのを横目に、魔法ポットに入れたあったかいお茶を飲みながらぼーっと果てしなく続く海を見るのであった。
「ロイトさんよ、その魔法ポットどこで買ったんだ」弁当をつまみながら仲間の1人が自分の隣に座る。
「以前俺らの村に魔法帝国から来たとかいう旅人が訪れただろ、あの旅人に頼み込んで魔法ポット買わせてもらったんだよ。1ヶ月の分の収入使ってしまったが、いいものを買った。寒い時に飲めるあったかいお茶ほどたまんないものはないな」
「それは羨ましいなどうだその魔法ポット譲ってくれないか、お前さんの買った2倍の額で買うぞ」カルロス言う。
「流石に無理に決まってる。無理言って買ったものだから、そう簡単には売れないな。それに王都に行けば同じよなものいくらでも売ってると思うが」俺はそう応える
「それはそうだが、たぶんだがそれ王都に売ってるようなものよりもずっと性能高いと思うぞ」
確かに飲み物を3日以上同じ温度でたもてる魔法ポットが王都にあるとは聞いたことないな、しかも王都にあるのはけっこうな頻度で魔石入れないといけないようなもので、俺のは空気中の魔素を勝手に吸収すて保温するから手間要らず。
「確かに俺の魔法ポットの方が王都のよりもいいいかもしれんな、これが魔導先進国のものなのか」そう呟く。
「魔導具で思い出したんだが、ここ最近漁の調子いいだろ結構お金貯まってきたところだし、魔導船買わないか」レイトが乾パンを齧りながら言う。
「いくら漁の調子がいいからって魔導船なんて買える物なのか」魔法ポット買うだけで1ヶ月分の収入を費やしたのに魔導船を帰るとは思えなかった。
「そりゃこの国で魔導船を買おうものなら俺らが一生かかっても払いきれないような額がするだろうか、魔導先進国で買えばこの国にとって最新式で高価であろうと何十年前の旧式品で安く買えるかもしれないぞ」
カルロスはそう熱く語っていたがそう簡単に行くように思えなかった。
「確かに安いかもしれんがどうやっていくつもりなんだ。そもそも俺らのような田舎者が行けるようなところじゃないぞ」
そもそもさっきから魔道先進国とばっか言っているが、そもそも魔導先進国にどんな国があるのかすらわかっていない状態なのだ。ましてやどうやったら魔導先進国に行けるか知っているものは村に一人もいないだろう。
「うちら漁師だろ。船で行けばいいじゃないか」カルロスはめちゃくちゃなことを言う。
「行き方もわからないのにこんなおんぼろ船でいけるわけないだろ、西に広がる海には海獣もいると聞くし」
「それでもさ、なんか行ける気がしないか。世界は海でつながってるんだぜ」
「確かにな」
辺境の小国のそのまた田舎の漁師ごときが世界の中心で栄華を誇る、魔法帝国に行くことなんて一生に一度もないだろう。
ただカルロスの話を聞いてるといける気がするのであった。
そろそろ漁場に着くとリーダーに言われ、俺はロイトと雑談しながら漁の準備を始めた。
「あんな島なんてあったか」ロイトがつぶやく
そこまで遠くない距離に突然島が現れたように見えた。
「なんだあれは、結構近そうだし少し見に行かないか」俺が言う。
リーダに頼んで船を島のほうに向かわせてもらった。船を進ませててから気づいたのだが実際にはその島が結構の大きさで。思った以上に遠くにあることに気づいた。
「あれ本当に島か」目のいいロイトが言う。
何とも言えないが、島にしては角ばってるように見えるしそれによく見てみると少しずつこちらに近づいてるように見えた。
「いやあれ島じゃないぞ、大きさは島だがあんな変な形の島なんて聞いたことない」またロイトが言う。
憶測だがわからないが少なくとも横5㎞はありそうな気がした、ただ異様に高く,角ばっており人工物のように見えるのであった。
幽霊船かと思いかなり不気味だったので漁はやめそのまま港に帰ることにした。
これがほうらいとこの世界の人々の初接触ですね。(会話してないけど)
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