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俺の花嫁に、手を出すな!

作者: 七瀬








俺ともうじき、結婚する彼女には8年も付き合っていた彼氏がいたらしい。

彼女の【元カレ】は? 浮気を何度も繰り返しては彼女に何度も土下座や

浮気をしないと約束して、また浮気をするといった懲りない男だった。

彼女は、その度に彼氏の浮気を許してきた。

何故なら? 彼女は浮気男だった彼を愛していたからだ!





でも、どうしても彼女にも許せなかった事があったらしい。

元カレと浮気相手との間に、子供がデキたんだ。

それなのに、彼女の元カレは浮気相手の彼女に中絶するように

頼み込み、彼女の貯金通帳から中絶費を支払った。

彼女は、それを知って激怒してとうとう元カレと別れたんだ。

全くもって! 自分勝手なうえに、彼女の通帳から30万円ほど

引き落として、浮気相手の中絶費を払った事も許せなかったらしい。

【女性を何だと思ってるんだ! 所有物だとでも思ってるのか!】

初めて彼女は本気で、元カレに対して思った。

【人として、許せない!】




こうして、8年彼女と付き合っていた彼氏と別れ今は俺と付き合っている。

彼女は、俺と付き合うようになってから楽になったと言った。

【元カレは、浮気ばかりして毎日、不安だったから】

俺と付き合ってからは、“浮気される心配がない”と言う。

彼女の元カレは、どれだけ彼女を泣かせたのだろう。

目に涙を浮かべた彼女を見て俺は、今までの彼女の苦労が見えた気がした。

俺と付き合った以上は、どんな事があっても幸せにしてあげる!

彼女を泣かせるような事は絶対にしないと心に決めたんだ。




 *




・・・そして、俺と彼女の結婚式の日。

まさか!? 彼女の元カレが俺から彼女を奪いにやって来た!

その頃、彼女の心は揺らいでいた。

元カレの事は、8年も付き合っていたし情もある。

それに、あんなことがなければ未だに“この男と彼女は付き合っていた

かもしれない”と俺は思ったからだ。




『・・・な、何しに来たのよ!』

『お前を、取り戻しに来たんだ!』

『どういうつもりなんだ! 俺達は結婚するんだぞ!』

『お、お前か! オレの女を取ったのは?』

『・・・や、やめてよ! こんなところで暴れないで!』

『散々、彼女を泣かせたんだろう!』

『はぁ!?』

『アンタの事は、彼女から聞いて何でも知ってんだよ。浮気ばかりして

彼女を泣かせてばかりいたんだろう。』

『葉菜? コイツに話したのか?』

『もう、私を解放してよ!』

『オレは、お前しかダメなんだ、他の女性おんなじゃ、ダメなんだよ!』

『自分勝手なことばかり言わないでよ!』

『もう、出て行けよ! もう直ぐ、式が始まる。』

『・・・た、頼む! オレの所に戻ってきてくれ!』

『・・・もう、無理よ』

『出て行け!』

『・・・わ、分かった』

『・・・・・・』

『・・・・・・』





彼女の元カレは、式場の人が警備員を呼んで直ぐにつまみ出された。

彼女は俺から見て、何か迷いがあるような気がした。

そして、無事に結婚式がはじまると? 彼女は元カレと一緒に

何処かに消えてしまう。

俺は、大きな扉から彼女のお父さんと彼女が出てくるのを待っていたのに。

出てきたのは? 彼女のお父さんだけだった。

彼女の両親は、俺や家族に平謝りで謝ってくれたけど...。

俺の心には、ぽっかりと穴が空いてしまった。

彼女は、もう居ない。

式場からあの男と一緒に何処かに行ってしまうなって...。

【俺は、あの浮気男に負けたんだ】

悔しいとか腹が立つとかじゃない感情が俺を取り込んだ。

【無】が俺を取り巻いていくのが見えたんだ。

俺はビシッと決めたタキシードを脱ぎ、一人でトボトボと家に帰る。

そこから、俺は酒の力を借りて彼女を何度も忘れようとしたのだけど?

なかなか? 俺の心の中から彼女は出て行ってくれなかった。





 *




あんなことがあってから、1年が経った。

未だ、俺は新しい彼女も作れずあの時の事が“トラウマ”になる。

彼女がデキても、俺はその彼女と結婚はできない!

女性ひとに対して、不信感を持つようになったからだ。

女性ひとと話すも、ワザと嫌われるようなつんけんとした話し方

をしたりするようになった。

全ては、彼女と元カレのせいだ!

俺はもう女性だれも、この先愛せないのかもしれない。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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