やっと得た手応え
繰り返される多忙な毎日。
街の見回りをすれば必ず嫌でも目に入る事件。
月全員分の報告書に目を通し、必要があれば島へ向かい解決のために最善を尽くす。
それ以外にも、とても一日では処理しつくせない程の依頼。
これをこなすのが僕の一日だ。
眠る時にはくたくたで、気がついたら朝になってて。
それでも頑張ってこなさなくてはならない。
全ては僕の──世界の為なのだから。
「リツ、いい知らせよ!」
「それも確かなものだ」
「2人とも!」
扉が勢いよく開き、メヅキと濃い緑色の髪を後ろに束ねた熊の亜人の男性──クレノが部屋に入ってきた。
「王様がね、あなたの希望を聞いて考えが変わったって」
「あまりにも熱烈過ぎてって感じだったけどな。
けれど、これで一安心だな」
「そっか……うん、本当に良かったよ」
ほっと胸を撫で下ろす。
これで第一の目標は達成。
あとは、今まで通り少しずつ争いを無くてしていけばいい。
……いや、今まで通りじゃダメだ。
今よりもっと努力しなきゃ。
もっと強くなって、そうじゃないと『僕の願い』は叶いそうにない。
焦らず、素早くこなす。
それを実行に移すのはとても困難だというのは理解っている。
現状、一日にやる事が多すぎて今にもパンク寸前なのだから。
けれど……そうやって甘えて、譲りたくないんだ。
──早く前に進みたい。
もっと確実な手応えが欲しい。
そんな感情が、欲望が、日に日に強くなっていた。




