表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Cross Navi Re:〜運命の交差〜  作者: noah太郎
第一章 春樹の場合
1/115

プロローグ



ーーー準備は整った…

ーーーーあとは待つだけだ…


深々と降る雪の中、ある城壁の一端に1人の男が立っている。

だいぶ長くそこにいたのだろう、深々と被るフードには雪が積もり始めている。


男は薄暗い雲で覆われた空を見上げる。

いくつもの黒い煙が幾つも立ち並ぶ柱のように一帯に立ち上がっている。

何かが焦げた臭いが鼻をつく。


「間に合うといいな…」


声にもならないような小さな声で呟くと、白い息がこぼれ出た。


そうして男は目を閉じた。




※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※




暗い、薄暗い空間。

光や方向感覚さえ失われたその世界で一人、春樹はうつらうつらと歩いている。


ーーーここはどこだろう…


ーーー自分は何者か…


何もわからないまま、同じ思考を繰り返し、ひたすら歩き続ける。


悠久の時が流れたかのような感覚。

いつからここにいるかも覚えていない。


ただ一つだけ、春樹の心に留まっているものがあった。


ーーーーーーー守らなければ。


誰をなのか、何をなのかもわからない。

だが、たしかにその意思は春樹の中に存在しているのだ。

歩き続ける間、時折、胸の内にこみ上げてきては消えていくその思い。




ーーーーー守らなければ…




















ーーーーー守らなければ…




















ーーーー守らなければ…





何度も、何度も繰り返してきた思考。無意識にその意志がまた、春樹の心の中に再び膨らみ始める。




ーーーー守らなくちゃ……………誰を?


















ーーーー守らなくちゃ…………………何を?



















ーーーー守らなくちゃ…………………なぜ?



いくら考えても、やはり答えは出ないまま。


そろそろ考えるのも無駄に感じ始め、春樹が再び無意識の渦に飛び込もうとする。



(……もう……いいや……)



そう思った瞬間、



"…か…を"



声が…頭の中に微かに響き渡った。



(…誰…だ…?)



そうしてまた、先ほどの意志が膨らみ始める。




ーーーー守らなくちゃ……………誰を?


"人々を…"
















ーーーー守らなくちゃ……………何を?


"世界を…"


















ーーーー守らなくちゃ……………なぜ?


"……"


理由にだけは返事がなかった。

しかし、春樹を覚醒させるには十分すぎる誰かの声。


ーーー守る…


ーー守る…んだ。


徐々に意識がはっきりしていく。確かにあるはずの守るべきもの。



守る……………



守る………守る……


守る……守る、守る、守る、守る


そう強く想いながら、春樹は暗闇の中を駆け出す。


守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る守る



"守るんだ!"



走りながらそう思った瞬間、それまで暗闇しか存在しなかった世界に、一筋の光が差し込む。


まるで、春樹の進むべき道を示すかのように強く明るく輝く光。


春樹は光の方へと手を伸ばす。


"絶対に守ってやる!"


そう強い意志を心に刻んで。

皆さま、はじめまして、こんばんわ、おはようございます、こんにちは。


noahノア太郎と申します。

しがない会社員ですが、前々から物語が書きたくて、投稿してみた次第です。


基本的には2、3日に1話、定期的に投稿していこうと思ってます。

(遅れたりしたらごめんなさい。)


初めて書くので、いろいろ不備があるかもですが、楽しんで描こうと思っているので、どうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ