アリス・カンパニー 〜TS転生したけど今度は好き勝手に生きることにする〜 簡易設定資料
ストーリーではないので、めんどくさかったら読み飛ばしてください。
情報は随時追加されていきます。
《世界観》
剣と魔法の中世暗黒時代の次の世代、蒸気機関による魔道具の発展が最高到達点に至らんとする1900年代初期の異世界を舞台に、主人公アリスが自重なしに様々な魔道具を開発し、やがて自分の会社《アリス・カンパニー》を設立させるお話。
お話のメインとなる舞台は《ティル・ナ・ノーグ連邦》。
↑主な周辺国家と簡易地図
《メインキャラクター》
●アリス・トルソン
異世界に転生した元ニートなおじさん。
銀髪碧眼のトルソン家の長女アリスとしてTS転生を果たす今作の主人公。
趣味は魔道具弄りと設定資料作り。
設定厨で、魔道具を作る際はかなりそこに力を入れる。
コミュ障気味な性格は前世由来のもので、年齢以上の知識や技量はあるが、人の手助けなしでは満足なコミュニケーションが取れないことを少しだけ悩んでいる。
父親のスヴィンには、魔道具弄りが好きなことを隠しており、両親の前では明るくおてんばな姿を振る舞ってはいるが、実はそういうことができるのは気を許した相手だけだったりする。
1892年生まれ。
物語開始時点の年齢は10歳。
●カニス
主人公よりも少し前の時代から転生してきた普通の男性。
転生後は主人公アリスの介助犬兼ペットとして迎え入れられた魔犬になる。
種族はダイアウルフと呼ばれる狼の魔物が家畜化した雑種で、スヴィンによる教育である程度簡単な魔法なら使えるようになっている。
主人公が転生者ではないかと言うことを疑っており、二人きりになったときだけ発せられる「俺」という一人称から、もしかして転生前はおっさんだったのでは?と疑っていたが、特に気にしなくなる。
アリスの事を「お嬢」と呼び慕っている。
●ウィニス・ブランウェン
アリスが贔屓にする魔法屋ニトロクリスの店主。
赤毛テンパにオーバーオールの、やや太り気味な体型で、優しい気質とピンチの時に頼りになるいいやつ。
アリスとの買い物交渉の時によく負けてくれる。
●ウィルバート・フォン・グランバルド
アリスが愛用する魔道具メーカー《レモネード社》の営業マン。
貴族で、そこそこな資産を有しているややマッチョな風貌の青年。
顔の髭のせいでやや老けて見える。
ひょんなことから、アリスの魔道具製作のスポンサーになる。
彼曰く、彼女の才能──あるいは、その作品に自分の昇進の勝機を見出したという。
アリスは、これが上手くいけば、自分だけの工房を持ったりすることも不可能ではないのでは?と考えている。
●フラッペン
温和、やや快活気味な巨乳の美少女。
アリスがグランドストーン駅で迷子になっているところを助けた人物で、優しく思いやりのある性格をして、困っている人を見たりすると放って置けなくなるお人好し。
おっぱいが大きいため、アリスからはいつかその胸に包まれたいという願望を向けられているが、当人は気づかない。
魔法がヘタクソで、いつも失敗させて爆発させる。
原因は単純に、発動の際に霊圧が強すぎるために制御できないため。
●アリア
フラッペンの友人で、偶にパーティを組む間柄の黒髪紅目の美少女。
頭には白のフリルが目立つボンネットと呼ばれるカチューシャのようなものを身につけており、黒いローブに身を包んでいる。
その身から放たれる気品は貴族のそれであり、いかにもお忍びのお嬢様の様な高貴な振る舞いを見せる。
口癖が「エレガント」なので、初めのうちはアリスにエレガントさんと呼ばれていた。
胸がないことを気にしているらしく、偶にフラッペンの巨乳をチラ見しては不機嫌そうな表情を向けており、胸のサイズにコンプレックスを抱いている。
●ヌィアール・ヌーヴォー
冒険者上がりの女騎士。
元S+ランクで、レベル補正によって常人ならざる身体能力を有している。
背の高い金髪の美人で、怜悧そうな風貌をしており、鋭さの中に重鈍な重さのある、騎士然とした雰囲気を持っている。
周囲からは精神的にも強い人だと思われがちだが、自分ではそんなに利口だとは思っておらず、実はやや弱虫なところがあり、それを隠すために気丈に振る舞っている。
●ツェペシ
魔王軍幹部にして第三師団団長を自称する金髪ドリルツインテールのロリ巨乳。
スチームパンクとゴスロリを掛け合わせた様な衣装に身を包んでおり、アリスの介助犬であるカニスを奪おうと色々画策する。
主人公であるアリスからは、頭が痛い娘だと思われていたが、あることをきっかけにして、少なくとも何らかのテロリストの一味であることは間違い無いと確信する。
その容貌や言動からは全く想像つかないことだが、実はキメラを造る事にかけては天才であり、海の生き物をモチーフにした人造人間の集団を配下に持っていたりする。
●八番
ツェペシによって八番目に造られた、タコ頭の人造人間。
首輪型のタリスマンによって、赤い髪に緑色の目を持つ悪人づらの人間に変装する。
口が悪く、肝が座っており、全体的に粗野で粗暴な性格をしている。
●九番
ツェペシによって九番目に造られた、イソギンチャク頭の人造人間。
首輪型のタリスマンによって、黒髪黒目ドレッドヘアのコーカソイドの青年に変身する。
語尾に「ヤス」が付くタイプで、何事も諦めが肝心というスタンスを取っている。
●十番
ツェペシによって十番目に作られた、イカ頭の人造人間。
首輪型のタリスマンによって、肩口まである長いプラチナ色のウェーブのかかった長髪をセンターで分け、広く平らな額を露出させた、全体的に強面な青年に変身する。
ちなみに目は三白眼で瞳は青灰色をしている。
上の二人に比べれば真面目で慎重な性格をしている。
ですます口調。
《用語》
●中世暗黒時代
魔王と勇者が対立していた時代で、この世界がいわゆる剣と魔法の異世界だった時代。
この作品の時代はそれから少し時が経った頃で、蒸気機関によって、誰でも魔法が扱えるようになっている。
●魔法
主に魔力を使って起きた現象。
影響魔力によって事象が起こること、またはその現象もこれに含まれる。
定義としては、魔素が影響を受けることによって世界に齎らした結果とされる。
魔法には自力で発動する、中世暗黒時代に主に利用された暗黒形式と、魔道具を使って発動する魔道具形式の二つがある。
●魔力
魔法を発動させるのに必要なエネルギー。
純正魔力、属性魔力、影響魔力の3種類があり、単に魔力と呼ぶ際は属性魔力のことを指す。
属性魔力と影響魔力は純正魔力から生成されるため、純正魔力は種魔力とも呼ばれる。
属性魔力は、人間や魔物などが魔法を使う際に利用する形の魔力で、生物の体内の別の位相に存在する生産回路で、必要な属性に精製される。
影響魔力は魔法植物や並行植物、鉱石、魔法鉱石などが魔法的な効果を発生させるために用いるエネルギーで、例えばゴダンドと呼ばれる魔法植物は『自分の環境を清浄に保つ』という影響魔力を保有しており、この力によって周囲の環境をクリーンに保つ。……というのが一般的な認識だが、実際は誤りで、この世の物質の全てを構成しているものの大半がこの影響魔力によるものである。
物質は須く影響魔力によって構築されるが、現時点ではまだ誰も知らない。
古代世界の魔法使いたちにとっては常識であるが、この知識は中世暗黒時代以前に行われた、紀元前約500年ごろに行われた古代スパニカン戦争と呼ばれる蛮行──古代ギリク共和国遠征──の際に失われた。
属性魔力は交換法則によって消費されるが、影響魔力は消費されるものではなく、活性と不活性を繰り返し、量的に不滅である。
純正魔力はそれぞれの魔力の素となる存在で、その詳細が明らかになってはおらず、物質にもエネルギーにも属さない。
尚、魔力は物質世界とは異なる位相に存在していると考えられ、直接的な化学反応などには影響されず、生物の持つ魂の働き(精神の行動)か、あるいは影響魔力によって反応される。
この関係はしばしば誤解され、物質が魔力に影響を及ぼすと一般には認識されているが、これは間違いである。
●魔素
純正魔力を形成する、最小単位の量子のようなもの。
これの組み合わせによって、属性魔力や影響魔力、プラーナなどに分かれる。
魔素は精神を介して、或いは歴史や知覚を介して物質的或いは現象的な姿に変質する。
これは例えば、魔法によって岩や水、火や光、雷を生み出す為に必要な性質で、魔素が姿を変えて組み合わさる事で、魔法による事象が発現する。
ライプニッツが発見した。
●魔力特質
後天的に有する、非遺伝性の魔力の性質。
どのような属性の魔力を扱いやすいかや、魔力の成長率などを決める。
●魔力の属性
少なくとも人類の扱う魔力には、2種類の魔力特質が存在している。
これは、魔力の基礎属性に関わる特質で、火、風、水、土の4つを基礎属性とする四大型と、木、火、土、金、水の5つを基礎属性とする五大型である。
この基礎属性の分類によって、個々人によって使いやすい属性と使いにくい属性に分かれる。
これら基礎属性を組み合わせて作り出される属性を派生属性と呼び、種類は無限に存在する。
派生属性は、魔力の種類だけでなく、それぞれの属性の含有率を変えることでも別の属性の魔力を作ることができたりする。
●属性
あるものをそれたらしめる自性、ないし、そうした特性から成る真実在に属し、本質を構成する性質。
イデアの原材料。
世界はイデアの模倣によって、魔素とプラーナの持つエーテリックの循環によって構築されており、それらを分解していき最後に残った、それをそれたらしめる最小単位の性質が属性と呼ばれる。
魔力の有する属性はそれを反映する事で、魔素の働きによって世界に表象されるための窓として機能している。
●魔力用途適性(用途適正とも)
その個人の持つ魔力特質が、どの様な用途の魔法に向いているかというステータス。
全ての人がそれぞれのステータスを有しており、この割合によって傾向が判断される。
それぞれ、風、林、火、山の4種類があり、それぞれ以下の特徴を持つ。
風……魔法の発動速度が速く、また発動した魔法が効力を終えるまでの時間も短い。投擲系の魔法では、発車から着弾までの速度が速くなる。
林……魔法が発動してから対象がそれを知覚するまでの時間が長くなる。隠密系の魔法に優れ、また、相手に魔法を発動したことを気づかせにくくすることができる。
火……魔法を発動する時の霊圧が高く、瞬間的な効力が高くなるが、霊圧が高すぎるために魔法の発動に失敗しやすくなる。
山……魔力の粘度が高く、魔法を発動してから解除した時、魔法の効力が切れるまで時間がかかる。また、他の魔法に影響を受けにくく、防御系の魔法の効果が高くなる。
●プラーナ
あらゆる物質、事象に含有され、その状態を保持しようとする魔力の一種。
物体や現象、事象に宿るプラーナが残留している状態であれば、それを生きた状態に仕立て上げるが、拡散するとそれらの物体や現象、事象を崩壊させ、死活させる。
例えばプラーナが宿った状態の石は硬いが、それが拡散すると次第に物質間での結合力が薄れて砂粒になり、やがてはそれが構成される最小単位である魔素に還るし、それが生物であれば死亡し、やがては腐り果てて消失する。
●エーテリック
プラーナ、或いはすべての魔力同士の結合力。
例えばエーテリックが劣化すると、プラーナが宿る物からプラーナの拡散が始まって死活するし、魔法は効果を失って拡散する。
魔法の粘度はこれの強さに由来している。
●イデア
この世の真実の姿と呼ばれる、情報の海。
この世界はすべてイデアの模倣により存在しており、模倣された事象は形相として魔素の集合によって表象される。
●魔道具(タリスマンとも)
小型の蒸気機関を使って電力を発生させ、魔力オイルから魔力を抽出して霊圧アンプで霊圧を上げて魔法陣に叩きつけることで、使用者は引き金を引くだけで魔法を発動させることができる画期的な装置。
中世暗黒時代では、魔導具の起動に自身の魔力を使用する必要があったが、このI型ハートコアと呼ばれる機構の登場によって、誰でも魔法を扱える世の中になった。
●魔導技師(TEとも)
魔道具を作る技術者のこと。
略してTEとも呼ばれる。
中世暗黒時代、より多くの軍用魔道具が必要であるとして、開発速度を上げるためという理由により、魔道具を作るにあたって何か免許や資格の様なものが必要というわけではなく、だれでも材料と道具さえあれば作ることができる魔道具だが、その作成を生業としているものを、特にそう呼ぶことがある。
●霊圧アンプ
魔力の圧力である霊圧を上げる装置。
真空管に魔力を送り込むことで霊圧を引き上げる仕組みになっており、この性能によって引き上げられる霊圧の高さが変わってくる。
霊圧が上がりすぎると、魔法を発動した際に反動が出るため、普通人間が使う魔道具の威力はある程度制限されている。
●高圧水蒸気ポッド(スチームポッド/SP)
魔道具を起動させるのに必要な電力を発電させるための、高圧水蒸気が充填された薬莢型のポッド。
魔道具はここに充填されたガスを魔道具内部のタービンに噴射させることで発電させ、魔力オイルから魔力を抽出する仕組みのため、これが無ければI型ハートコアを利用している魔道具は起動させることができない。
魔道具による魔法の発動後は、空になったポッドが排莢され、種類によっては自動的に装填される仕組みになっている。
●オートマトン
ゴーレムとは違い、魔道具として作られた魔力で動く自動人形の総称。
ゴーレムは魔法によって生み出された無機物の人工生命体を指し、役目を終えると自動で魔力へと還元される。
●魔力嵐
この世界の気候は、大気中の魔力が自然と集まってできる微精霊(自由意志を持たない)や、森羅万象に宿る精霊(自由意志を持つ)の働きによって決定される。
この微精霊たちは、人間などが魔法を発動させる際に、魔力の働きを感知することで対応した現象を起こすので、例えば大規模な魔法を発動した際には、酷く大気中の魔力の動きが荒れることがある。
この魔力の荒れを微精霊たちが感知すると、その時の魔力の波形に応じた現象を引き起こし、傍目にはランダムで勝手に魔法が発動している空間が現れる。
この現象を魔力嵐と呼ぶ。
魔力嵐は魔道具の起動や魔法の発動を妨げる原因にもなるため、軍用の魔道具はしばしばそれに対策する。
●精霊
微精霊の集合によって生まれる現象的存在。
普通、人間単体では魔力を操ることができたとしても、魔法を扱うことはできないが、彼ら、或いは微精霊が存在することによって、人間などの生物は魔法を操ることができる。
事象や物体にじゃなくすることで人格を獲得するとも、受肉以前から人格を獲得しているとも言われるが、受肉以前の精霊と対話する方法が発見されておらず、試みられた例も、そもそも受肉していない精霊が発見された例もない為、正確にどのタイミングで人格を発露させるのかは不明であるが、精霊となった微精霊の集合は、人格を有していない例は見受けられていない。
未だに謎の多い分野で、解明されていないことが多いが、その構成材料がどうやら魔力とプラーナであるらしい事は、有識者らには知られている。
●微精霊
精霊を構成する最小単位の細胞で、ライプニッツ曰く“モナドの窓”。
その身は定義上、純正魔力で形作られている。
人間などが魔法を使う際に力を貸してくれる存在で、人格は存在しない。
●冒険者
国際組織であり、且つ一つの国と同等の権力を持つ大規模組織である冒険者ギルドに所属する、労働者。
元は中世暗黒時代より昔、村を魔物たちの脅威から守る防人と呼ばれる集団が、村の間を移動する行商人を護衛した事に始まる。
このことから、『行商人と共に各地を旅する者達』という意味を込めて、冒険者と呼ばれるようになった。
これが時代が進んで中世暗黒時代に入れば、国際組織としての冒険者ギルドが結成され、魔物から街を護る駐屯騎士団から分離し、街から遠く離れた場所へ魔物を狩って素材を手に入れたりする者達を冒険者と呼ぶようになった。
現在では、冒険者ギルドはそれに加えてスラムの解消を行うためのツールや、街中の仕事の斡旋事業まで受け持つようになっている。
冒険者の信用度と依頼達成率を表す信用スコアと冒険者ランク制度があり、ランクを上げるためには一定の実力と信用スコアを獲得しなければならない。
ランクはFからSまであり、その関係は下のようになっている。
F→F+=100pt
F+→E=500pt
E→E+=2,500pt
E+→D=10,000pt
D→D+=50,000pt
D+→C=250,000pt
C→C+=1,000,000pt
C+→B=5,000,000pt
B→B+=25,000,000pt
B+→A=100,000,000pt
A→A+=500,000,000pt
A+→S=2,500,000,000pt
S→S+=10,000,000,000pt
●ウィン
人間や魔物を含む全て動物は、体表から自然に発せられる魔力の働きによって、無意識的に自分を守る結界の様なもの(エナ)を体表面に展開している。
全ての動物は、そういったものを殺傷する事によって、ウィンと呼ばれる特殊なエネルギー(ゲーム風に言えば経験値の様なもの)を吸収する事ができ、この量が一定量に到達すると、エナの強度が上がったり、それが人体に影響することで得られる、身体能力強化サービスの性能を強化させることができる。
つまり簡単に言えば、生き物を殺すとウィンと呼ばれる経験値が手に入り、身体能力などが上昇する。
この上昇段階は冒険者たちの間でレベルと呼ばれ、さらにこれによって受けられる身体能力の強化などのサービスをレベル補正と呼ぶ。
レベルの判定はエナの魔力強度を測ることで計測される。
●呪い
魔法に関する障害全般を指して用いられる。
例えば魔法による「石化」や「麻痺」はもちろんのこと、その他、魔法を使うのに必要な器官である「演算回路」や「生産回路」などに生じる障害も含まれる。
これらに対する治療のことを封印と呼ぶ。
ただし封印すれば呪いが完治するものとも限らない。
●DI魔法(Death intervention Magickとも)
通称、死亡保険魔法。
事前に掛けておくことによって、死亡することを条件に生命力を復活させて、完全な死亡を回避する魔法の総称。
これまで不可能とされていたが、アリスの父親であるスヴィンによって完成に至る。
現在はアリスの新型過剰演算性演算回路不全症候群と呼ばれる呪いの副作用である心停止に対処するために、使われているが、それ以外での使用例は公的には見られない。
● 新型過剰演算性演算回路不全症候群
魔法が発動される際に魔力が通る回路の不全症の一種。
演算回路と呼ばれる部分が不調を起こすことで発症する呪い。
発症すると、心拍数、血圧等が限りなく上昇する副作用が発生し、動悸、気絶、最悪心停止して死をもたらす。
●魔導列車
都市間を移動するための手段。
街の外には魔物が犇めいているため、普通の住民は外に出ることができない。
なので以前は冒険者による護衛を伴うか、自衛の手段を手にするしかなかった。
しかし魔法道具の製造技術、および錬金術の進歩により、蒸気機関を用いた、蒸気と魔力で動く機関車の作成に成功した。
対魔物用の迎撃用タリスマンや、それを扱う騎士などが搭載される。
●駅馬車
魔導列車導入以前の都市間の移動ツール。
現在でも線路上での事故などで魔導列車が使用不可能な際に運用されたり、駅が設置されていない村や街へ移動する際に利用される。
馬車の客車には簡易的な蒸気機関を利用した迎撃装置付きの結界発生装置が設置されている。
● 世界魔導具開発者名簿
開発者名簿と略される。
魔道具の開発年月日と開発者と設計図を管理するシステム。
開発した魔道具は、上記の情報と共にシステムに記録され、公表される。
中世暗黒時代、魔族との交戦のために少しでも多くの軍用魔道具を必要としていたために世界中で考案された。
●ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ
紀元前600年頃、エルフの国として栄えた古代ヨイツ王国(現ニュルンベルカン王国北部ヨイツ州)の宮廷魔導師。
魔素の存在を予言、および発見し、またプラーナやエーテリックの働きについて、著書『ヨイツの大雪』にて記した。
優れた哲学者でもあり、数学者でもあり、そして錬金術師でもあり音楽家でもあった彼は、現代(作品世界中)にまで伝わる数多くの魔法に関する学術的な知見を広めたが、同時に『ライプニッツの難題』と呼ばれる魔法に関する難解な問題を世に残して去っていった。
《魔道具紹介》
●焼き林檎シリーズ
アップルティー社が開発する軍用タリスマン。
形状は共通してアサルトライフルを模しており、筐体の強度が高く、魔力嵐などで影響を受けにくい素材、構造でできている。
●BA-98a
1898年、アップルティー社製、焼き林檎シリーズ。
リボルバーを備えた、すらりとした長い銃身の内部に、通常は外に出ている霊圧アンプが内蔵されることによって、スリムな見た目になっている。
軍用の魔道具のため、取り回しのしやすさに重点を置いている。
● BA-75e
1875年、アップルティー社製、焼き林檎シリーズ。
1875年に作られたシリーズの5番目で、魔法の出力に特化させすぎた失敗作であり伝説の魔道具。
失敗作と呼ばれる理由は、単純に霊圧アンプの性能が良すぎるせいで、魔法を発動した後の反動が、本来人間が許容できるレベルのものを軽く超えているせいである。
しかし、当時まだ魔王と勇者による戦争が続いており、冒険者による魔物狩りも活発であったため、それなりのレベルに達していた冒険者には扱うことができた。
ただ、従前に扱えた冒険者は数が少ない。
全体的に細長く鋭利、且つ鈍重なフォルムをしていいる。
●LAG-91
1891年、レッドワイン社製。
アップルティー社、レモネード社と並ぶ大手魔道具メーカーであるレッドワイン社が、アップルティー社の焼き林檎シリーズに対抗して制作した、コンパクトタイプのタリスマン。
グリップの付近にあるハンドルを弾くことで銃身を回転させることができ、これによって最大3種類の魔法を使い分けることができる。
形状は銃身が長めのリボルバー式拳銃に酷似している。