愛=歪 last answer and……
「そうか、二倍の力は言わばコピー……二人の生死も写し取られるはず。 」
「でも、二人の運命は同じ道を辿らなかった。双子座の力で祇峰フタリの存在が違うパラレルワールドなんて生まれるわけがないのに…… 」
杉佐多さんの問いから並行世界の矛盾点に親友達も気が付く。
二倍になったどちらの世界も本物として成り立っているっぽいので、オサムくんの言う片方が偽物のコピーというよりは分身の方が表現として相応しそうだけれど、同じものを生み出すという原理は多分同じ。
ジェミニック・トゥワイスで世界を分身させたとしたら、私達の生死を写し間違えている。
70億人の住む全世界からすれば、微々たると言わざるを得ない差でも、これでは完全な二倍が行われたとは言えない。
けれど、並行世界の創造に双子座の力が使用されたのは確かで、コピー自体は行われているはず。ならば、考えられるのは……
私達の写し間違い。
プログラムで言うところのバグ。
創られた二つの世界における“歪み”。
歪み……そう、あの言葉と繋がる。あのヒントに繋がる。
それを最後のQへの回答として、四人に告げよう。
たったそれだけのことを。
でも、あまりにも壮大なことを。
そして、今の私達に求められていることを。
「僕らの世界が同じじゃない理由、それは…… 」
「私達の死が別れた理由、それは…… 」
「愛=歪 」
「愛=歪 」
「これはお姉ちゃんが私達に残したヒント。 」
「ヒントであって、今となれば答えそのものであると分かる言葉。」
「お母さんの私達両方を生かしたいという“愛”が、双子座の力に“歪み”を生んで…… 」
「その“歪み”は二倍にしたそれぞれの世界で、僕らの運命を変える形で表れたんだ。」
「だから、私達の命はお母さんの想いが形となったバグ。」
「親が子を愛する。新しい家族を願う。そんな当たり前が僕らの生死を逆転させた。」
「それが並行世界が並行世界たる真実。」
「それが祇峰フタリの真実。」
「そして、それが…… 」
「そして、それが…… 」
「新たな世界でふたりのフタリが生き残る方法だ。」
「新たな世界でふたりのフタリが生き残る方法だ。」