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フタリの命 value to friends

 


 「……ってことは、鴉根君も同じ結論になったみたいだね。 」



 「ああ、当然っ! 」



 「ん? 二人共その顔、そんなことないとか思ってる? 」



 「自分たちが、世界の中心なんて大げさだとと思ってるのか? 」



 「確かにさ、地球上の中心って言ったら過剰表現になっちゃうかも知れないよ? でも、言ったでしょ? ()()()()()()の世界って。」



 「どういう意味かって? 別にそのまんまだぞ。俺にも、薄明さんにも、もちろんお前らにも、それぞれ世界があるってだけだ。」



 「んー、まだ納得いかないかな? じゃあ、二人が今思ってる“世界”ってどんなの? それって、地球とか全世界のこと指してない? 」



 「その様子だと、図星みたいだな……いや、分かるよ。俺もさっきまでそう思ってたから。」



 「うん、私もそうだった。それがあって、ちょっと考えちゃったんだけどね。70億人もの命が危険に晒されちゃったのは事実だったし、それが惨状だったっていう記憶は戻ってるし、全世界ってなると無視できない気もしちゃったし。」



 「起きた被害が被害だったから、それに対してどうでもいいだろとか、忘れちまえとかは俺達からは勝手に言えない。」



 「でも、全世界を巻き込んだことを間違いだったとも言えない。」



 「間違いだなんて全く思わない。」



 「それを否定したら、二人の命を否定することになっちゃうもの。」



 「70億人を二倍にしなかったら、お前らのどちらかはいなかった…… 」



 「全世界を人類邂逅で巻き込まなかったら、二人目の祇峰フタリとは出会えなかった。存在を知ることさえできなかった。あなた達同士も出会えなかった…… 」


 「惨状を乗り越えなかったら、こんな風に両方の記憶を保てなかった。どちらもを忘れるところだった…… 」



 「だから、全世界を巻き込まない代わりにどちらかがいなくなればいいとか、十七年生きた代償として、二人共がいなくなればいいなんて絶対に思わないし、思うワケない。 」



 「祇峰フタリがいないと、私達の世界は成立しないんだもの。」



 「実際に二人のことを忘れちまったときは、別の記憶を持つはずの俺同士が融合した後なのに、心と頭の中に物凄い量の空白が出来てたしな。その分が全部お前らとの思い出やら何やらだったと思うと、照れくさくても認めるしかないさ。祇峰フタリがどっちの俺にとっても大切な重要人物だったって。」



 「そんな二人の命が、ちっぽけなわけないでしょ? 割に合わないわけないでしょ? 」



 「確かに一度は多くの人間や、その人達の世界を絶望に追い込んだかもしれない。二人の性格上、お母さんとか家族に対して罪悪感を抱いていたようにいたように、それを罪として感じることもあるかもしれない。」



 「でも、これだけは忘れないで。祇峰フタリがいなくなったら、崩壊する世界がここに少なくとも二つあること。あなた達が生きてるおかげで、救われる世界がここに二つあること。」



 「一人の祇峰フタリにここまで依存した世界だったんだ。同じ場所に二人揃ってくれれば、二倍に楽しい世界になる。」


 

 「それにあなた達の家族の世界だって、生きることで絶対救われるはず。」




 「だからこそ、二人を産んで、命を繋いでくれたお母さんが心の底から正しいと思える。」

 「だからこそ、二人を産んで、命を繋いでくれたお母さんが心の底から正しいと思える。」




 「だからこそ、二人に出逢わせてくれたことに心の底から感謝できる。」

 「だからこそ、二人に出逢わせてくれたことに心の底から感謝できる。」




 「だからこそ、ちっぽけなんて言わず、自信をもって生き残ってよ……!! 」

 「だからこそ、ちっぽけなんて言わず、自信をもって生き残ってくれ……!! 」





 「私達の親友、祇峰フタリと祇峰フタリっ!!!! 」

 「私達の親友、祇峰フタリと祇峰フタリっ!!!! 」

 


 

 

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