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 「次は私ねっ!!!! 」


 「ああ、頼むぞっ……!! 」グルッ


 パンっ!!


 「ジェミニック・トゥワイスっ!! 」

 「ジェミニック・トゥワイスっ!! 」


 ザッ!! 


 空中で向かい合った彼とのすれ違いハイタッチを決めた私は、槍を振り終えたばかりの敵の懐に入り込む。

 

 「っ!!? コイツも速くっ!!? 」


 『しかも、さっきの男以上だぞ!!? 』


 さらに跳ね上がった超スピードを利用して。


 「はああああああああああああっ!!!! 」 ブンッ!!


 さらに跳ね上がった超パワーの右アッパーを勢いに乗せて。


 「何度も喰らうかっ!!!! 」 スッ


 攻撃に反応した敵は、槍を持っていない左手の籠手を私の拳の進行ルートに回り込ませて盾とする。

 これじゃ当たってもダメージにならな……くても、特に問題はない。


 だって、私達の目的はただ敵の体に触れることにあるのだから。


 「ジェミニック・トゥワイスっ!!!! 」


 ズガァン!!!! バキィっ!!!!


 『ああっ!!? またオレの体にヒビがぁっ!!!? 』


 「ぐぅっ!!? なんつぅ、衝撃……!! 」


 鎧を砕き、嘆かせるまでに急成長したこの一撃も今のところはオマケでしかない。


 ズゥン


 「ぐわっ!!? また体が重く……!! チクッショっ、死ねぇっ!!!! 」 ブン!!


 私による致命的な直撃を避けたのにも関わらず、さらなる異常をきたすようになってしまった敵の体。とっくに自分の思い通りに動かせる状態ではないと思うのだけれど、やはりというべきか、そこは最強と呼ばれる神の鎧の装着者。

 敵はパンチを防ぎ終わったと同時に、彼に振り終えていた槍を私の胴体目掛けて、横から真っ二つの軌道に操り直す。まさに横槍実物を入れてきたって言えそうだけど……


 「ほっ!! 」 グルッ、バッ!!


 今の私のスピードにはそんなくだらない冗談を思い浮かべるほどの余裕がある。刃が届く前に、体を半回転させ後ろに飛び上がることなどは造作もない。そもそもヒット&アウェイが私たちの作戦なので、ここから離れる準備もとっくにできていた。


 そして、私の飛んだ先では……


 「まだ行くぞっ!! 」 ビュンッ!!


 彼が必ず手を伸ばしている。


 「オッケー!! 」


 パンッ


 「ジェミニック・トゥワイスっ!!!! 」

 「ジェミニック・トゥワイスっ!!!! 」


 再び空中で交わされるすれ違いハイタッチ。それと同時にまた速さを増した彼は一瞬で敵の正面に飛び込んでいく。


 スタッ!!


 「よぉ……また会ったなっ!! 」


 「今度はお前か……!! 」


 一部が砕けた鎧状態の敵は槍を振り戻す前に、いつの間にかまた姿を現した彼に驚愕する。

 今の私達のスピードはもう神を纏ったという相手でも反応しきれるものではない。自分たちの力ながら、とんでもない次元に達してしまったものね。


 「はあああっ!! ジェミニック・トゥワイスっ!!!! 」ブンッ


 バキンッ!!


 『あ゛あっ!! 今度は肩がぁ!!!! 』


 彼の放った右ストレートは敵の左肩を捕らえ、その命中部分にはヒビだけではなく欠けが現れ始めた。

 この作戦、本当にうまくいくのか若干の不安があったのだけれど、鎧の破損具合から私たちのパワーの上り具合を証明してくれている。恐るべき神の鎧も、今となってはただの安心材料だ。


 「うがっ、また重く……マジでなんなんだよっ!! 何が起きてんだよっ!!?」


 「ん……これでも倒れないか。 」 バッ


 疑問に包まれ、攻撃にひるみながらもまだ反撃に移ろうとする敵を見て、彼はまたその場から後ろへジャンプアウェイ。

 その先からは当然の様に私が結界の弾力を利用して飛んでくる。3度目のバトンタッチを目的に右手を伸ばしたまま。


 「なかなか、倒れないな。徐々に鎧をはがすぞっ!! 」


 「了解よっ!! 」


 パンッ!!


 「ジェミニック・トゥワイスっ!!!! 」

 「ジェミニック・トゥワイスっ!!!! 」


 

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