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目醒めたての実力者 cancer weapons

 


 ‐ “今セッシャがお主に授けたブレスレット。その中にある力の名はキャンス・ウェポンズ。蟹座を元に作り上げた侍の鎧と武器でござる。” ‐


 ‐ 侍っていうか武士じゃないか? ‐


 ‐ “今の実力では刀の他に籠手と腰当ぐらいしか実体化できないだろうが、鍛錬すれば全身を覆えたり、様々な武器を使えるようになるでござる。盾とか銃とか…… ” ‐


 ‐ 後半、武士ですらないぞ。‐


 ‐ “ キーワードは、アーマード・シェル。刀だけなら、キャンスラッシャーと言いながらブレスレットを押せば実体化するでござる。” ‐


 ‐ ござるとか言う割に横文字だらけかよ。 ‐



 ……なんてやり取りが俺の頭の中であったのだが、実際顕現させてみると腕と腰の鎧は所々が尖がった甲冑。蟹のハサミを彷彿とさせる剣も艶のある漆黒で、どちらかと言えば西洋モノ。どう見ても刀とは言えない気がする。どうやら俺の神様は雰囲気だけの似非侍らしい。

 

 「そういや、後ろの結界が開いてるがお前の仕業か? 」


 俺と対峙する槍使いは切り開かれた壁について疑問を投げてくる。


 「ああ、この刀……っていうか剣、キャンスラシャ―は次元も切れる業物らしくてね。一振りしただけであのザマ……そして、ここからのアンタもな。」 ガシャン


 俺は挑発気味に右手の長剣を敵に向ける。


 「俺の親友フタリをあんなボロボロにしてくれたんだ。ただじゃ済まさねぇぞ……!! 」


 自分の中に湧き上がる怒りを込めて。


 「ハッ!! 目醒めたての癖に言うじゃねえか……口だけの雑魚じゃなきゃいいがなっ!! 」 ジャキン


 ……っ!! この気配、早速来る……!!

 

 大丈夫だ、俺。

 焦るな。怒りは抑えろ。

 相手は化け物だが、この武装のおかげで力は明らかに上がっている。

 それに今までの経験を合わせれば、勝てないこともな……


 「馬神槍技 駆出ぃ!!!! 」ビュンッ!!


 ドカァン!!!!


 「おいおい、避けれてねぇじゃねぇか。これじゃ楽しめ、そう、にっ……!!? 」


 ガシッ……


 「ああ、避けるまでもなかったな……!! 」


 「なんだとっ……!!? 」


 敵が槍を心臓に向けて突っ込んできたが、俺はその凶器の柄を体に突き刺さる前に掴み取る。


 馬鹿に少しでも焦りを感じた自分が馬鹿だった。

 確かにスピードは速いし、完全には見切れない。だが、試合で培ってきた俺の勘があれば、襲い掛かる危機に対して体は勝手に反応する。それに、動きはフェイントなしの馬鹿の馬鹿による一直線軌道。頭を動かさずとも、大した脅威じゃない。

 やれる……、この勝負……



 「勝てるっ……!!!! 」


 

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