プロローグ♀
ここまでの長い序章をお読みいただきありがとうございます。
ここからの第一章♀は基本先の第一章♂とは主人公と一部人物の立ち位置が少し違うのみ(各タイトルの通り)ですので『読み飛ばし』を推奨いたします。この章を全て読み飛ばしてもここからの物語の理解にはあまり影響はありません。
どちらも読んでくださる人のことも考えて、そのまま男版を貼り付けることはせず、いろいろ差別化はしていますが、タイトルのみお読みいただければ大体の差はご理解いただけると思います。大した伏線もありません。(ちょっとした裏設定ぐらいは入れましたが、多分本編では触れません。)
省略部に関しては最新部の執筆が行き詰まった場合に、気晴らしとして制作していくので、(あとモチベーションの関係で)今後徐々に公開していきます。時期は完全未定です。最終回後になる可能性もあります。
(制作後は♂か♀のどちらかを読者様に自由にお選びいたただく形式にさせていただく予定です。)
「私は、一人。」
いえ、この言葉は私に友達や恋人がいないことを表すためのものじゃない。
友達はまあまあいる方だと思うし、彼氏は募集中だけどずっとロックオンしてる人がいるから今のところは気にしてない。
とにかくこのままじゃ勘違いされそうね。話を戻すついでに言い直しましょう。
「私は一人 "だけ" 。」
……なによその目。
もしかして哀れんでる?
イタイ子だって思ってる?
だったら、それこそ勘違いだからね?
頭がクレイジーなわけでも、中二病なわけでもないからね?
だけどそう思うのも仕方ないか。
私ももしアユリに突然こんなこと言われたらあまりにかわいそうで抱きしめてあげたくなりそうだし。
でも別に今の私は唐突に自分のオンリーワンさを語り出すような若気の至りに踏み込んだ訳でも、世界の常識を無意味に周りくどく語っちゃうおかしい人になった訳じゃない。
おかしくなったのは…… "世界" の方。
そう、世界が変わってしまった。
詳しくいうと全人類がおかしくなった。
自分は一人ずつという当然中の当然中の絶対当然が突然ひっくり返ってしまった。
一度ひっくり返ってしまったら、例え以前は表の常識でもそれは裏となり、裏……ですらなかった気もするけれど、そんな面が表となる。
そして今の裏というべき面が今の私……いや、私"達"だね。だったら、まだ言い直しが必要かしら?
それだけ言って、一回この話は締めましょう。
そう……
「私たち "ふたり"は一人だけ 。」