2話 おっさん神様の手紙を読む
中に入ると真っ白な壁にベットとテーブル、そして椅子とクローゼットだけの簡素な空間が広がっていた。
テーブルの上にあるのはあの球体が言っていた神様からの手紙とやらだろうか?
その隣には手のひらサイズの赤い箱と青い箱が置いてあった。
取り敢えずはと手紙を読んでみる事にした。
――――――――――神様の手紙――――――――――
いきなりこんな事になって内心慌ててるかもしれないが許して欲しい。
キミからしたら不本意かも知れないが、キミの命をこちらに引っ張らせてもらった。
自殺を決行したキミにとっては迷惑以外の何物でもないだろう。
なにせ不本意な自殺未遂と言う形になってしまったのだから。
なので私から二つお詫びの品を送ろうと思う。
まずは赤い箱。
これはキミの姿を自由に決める事が出来る箱だ。
好きな姿を思い浮かべると良い、その瞬間キミはその姿になれる。
次に青い箱。
こっちは好きな力を一つだけ手に入れる事が出来るようになる箱だ。
思い浮かべたものが即座に手に入る。
どっちも一度しか使えないから注意してくれたまえ。
キミが居た世界で言うRPGみたいなものだと思って貰えれば良い。
何せこれから別世界の守護者になってもらうんだから。
――――――――――ここまで――――――――――
・・・。
意味が判らないんだが。
命を引っ張るとか別世界の守護者とか全く判らないんだが。
こう言うのはやりたいって思う奴にやらせてやれば良いじゃないか。
三十路も過ぎた社畜にやらせるような事じゃないってのは確かだろう。
でもまぁアニメや漫画みたいな事が沢山書かれていてそれが体験できるってのは悪い気はしない。
どれ、もう少しばかり付き合ってみるか。
仕方ないとばかりにこめかみ当りを手で押さえつつ、まずは姿を変えると書かれていた赤の箱に手を伸ばした。