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縁の本棚  作者: 雪縁
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本日の一冊 「もりのひなまつり」

「もりのひなまつり」【福音館】

          こいで やすこ作


 もうすぐひなまつり。

 幼いころ、小学校から帰って、御座敷に足をふみいれたとたん、目の前に広がる赤いひな壇に心がおどったものだ。


 このおはなしの舞台は、小さなもりの近くの家。

 その家のくらに住むねずみおばあさんのもとへ、やまばとゆうびんやさんがてがみをはいたつしてくれた。


 もりのねずみ子ども会が、もりのおひなまつりをしたいというのだ。

 するとおばあさんの返事よりも先に

「まいりましょう」

「もりのひなまつりをいたしましょう」

 はこの中から、おひなさまたちの声が。

 うちのおひなまつりの前に、ちゃんと箱にもどっていれば大丈夫だからとおひなさまたちが言うので、ねずみおばあさんは、もりへおひなさまたちを連れていく。


 喜んだのは、ねずみ子ども会の子ねずみたち。

 うわさを聞きつけ、りすやうさぎやもりのどうぶつたちも、ぞろぞろやってきた。


 五人囃子の笛や太鼓に合わせて、三人官女が歌い、お内裏さまが舞をまう。

 子ねずみたちが元気に育ってくれますように。

 しあわせでありますように。

 願いをこめて、おひなさまたちはお祝いした。

 みんなは甘酒を飲み、ほんのり赤くなりながら、気分はウキウキ。

 歌っておどってねころんで、たのしいもりのひなまつりを終えて、もどってきたねずみおばあさんとおひなさまたち。顔を見合わせ、あっと驚いた。


 もりの中で、やりたい放題好きなように過ごしたためか、顔も着物もまっくろけのけ。

 このままじゃ、うちのひなまつりには出してもらえないとなげくおひなさまたち。


 そこで、ねずみおばあさんがひらめいたことは?


 白酒めされて赤いお顔のひな人形たちが、歌ったり踊ったり、寝ころんだり、思いきりはじけた様子の挿絵が何とも可愛らしい。


 おひなさまたちも、ひな壇に座ってお行儀よくしてるだけでは、案外たいくつなのかもしれない。



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