本日の一冊 「はちうえは ぼくに まかせて」
「はちうえは ぼくに まかせて」【ペンギン社】
ジーン・ジオン作
マーガレット・ブロイ・グレアム絵
もり ひさし訳
幼い子どもたちに、ひとつのことを責任持ってすることを教えるためにも、おてつだいは大切だ。
しかし、「まかせる」ためには、こちらもそれなりの忍耐力がいる。急いでいるときは、ついつい口をはさんだり、手を出したりしたくなるものだ。
さて、この物語の主人公トミーは、夏休みに旅行する近所の人たちから、はちうえをあずかってくる。
トミーの父親は忙しくて、夏休みはどこも行くことができない。だから、はちうえひとつ、一日ニセントで留守の間お世話するというのだ。
なんてしっかりしたアルバイト! 両親は目を丸くする。
それから毎日、トミーのはちうえのお世話が始まる。
トミーははちうえを育てるのが上手だ。
水のやりかげん、光のあたり具合、はちうえをよく観察しながら、ひとつひとつていねいに育てていく。その成果あって、やがて、トミーの家はどこもかしこもジャングルのように緑におおわれはじめる。
あまりに植物たちが育ちすぎたと判断したトミーは、ある行動を起こした。その行動とは……?
決めたことを責任もってやりとげるトミー。
そんなトミーのやり方に口をはさまず、だまって見守る両親。
絵本の挿絵のあちらこちらに出てくる、ペットの犬とねこが常にトミーに寄り添っていて、とてもかわいい。
この絵本は海外でも高く評価されているし、国内でも数多くの地域で推薦図書になっている。
わが息子たちはトミーのように育ってほしいと願いつつ、何度も読み聞かせしたけれど……まったく失敗だったとあらためて反省した。




