本日の一冊 「ふらいぱんじいさん」
「ふらいぱんじいさん」【あかね書房】
神沢 利子作
堀内 誠一絵
どの家にも必ずひとつはあるであろう、ふらいぱん。
もし、私がふらいぱんだったら、何を焼くのが好きだろう?
ソーセージ? 野菜? 肉? いや、きっとたまごだ。
黄身がとろりとした、お日さまみたいな目玉焼きだろうと思う。
この物語の主人公、ふらいぱんじいさんも、めだまやきを焼くのが大好き。けれども、新しいめだまやきなべと交替のときが来て、広い世界への旅に出る。
ヒョウ、サル、ダチョウにラクダ。
ふらいぱんじいさんは、ジャングルでさまざまな動物たちと出会う。
来る日も来る日も砂漠を歩き、とうとう海に出たふらいぱんじいさん。
今度は、広い海の中へとサブン。
とびうおたちと波にのって飛び跳ねたり、泳いでみたり、海の上をわたっていく元気な鳥たちをながめてみたり、嵐の後の海でおぼれている小鳥をたすけてやったり……。
海の旅を続けているうちに、タコに足をへしまげられ、首をひねられたふらいぱんじいさんは、かなり弱って砂浜に打ち上げられた。
もう歩くこともできない……。このまま、じいさんは死んでしまうのだろうか……。
と、ふらいぱんじいさんを待ちうけている、思いがけないハッピーエンディング。
温かくて、微笑ましくて、思わず顔がほころんでしまう。
低学年から読める、ロングセラーのこの物語の続きは、どうぞ作品を手にとってみてください。




