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縁の本棚  作者: 雪縁
92/306

本日の一冊 「チョコレート戦争」

「チョコレート戦争」【理論社】

           大石 真・作

           北田 卓史絵

 

 この本も、私が小学生のころには図書館に置かれていたから、もうかなりのロングセラーである。

 魅力的なタイトルに惹かれて、三回くらい貸し出した記憶がある。


 主な登場人物は、光一と明。

 ある日の放課後。

 光一は熱を出して食欲のない妹のために、明といっしょに、市内でも評判の洋菓子店の金泉堂に行く。

 しかし、二十円ほど足りなくて、シュークリームは買えず、悔しそうにショーウインドーの中のチョコレートの城を見つめていると、とつぜん、ウインドーのガラスが割れてしまった。


 喉から手が出るほどに、そのチョコレートの城が欲しかった二人は、あまりにタイミングよくウインドーが割れてしまったので、思わず逃げだそうとしたところを、店の支配人に捕まってしまう。

 社長の谷川金兵衛氏はじめ金泉堂の大人たちは、二人の言い分を決して信じようとしない。

 かけつけた桜井先生のおかげで、何とか帰してもらえるが、怒りがおさまらない光一は、明にとんでもない計画を打ち明ける。

 それは、金泉堂のショーウインドーの中のチョコレートの城を、仲間と盗み出そうというものだった。


 一方、新聞部の明は、金泉堂の大人たちによって、何もしていない自分たちが犯人扱いされたという記事を書き、市内の小学校新聞に載せようとしていた。

 光一から、金泉堂のチョコレートの城を盗み出す計画を聞いた明は、事をおさめようと、松井先生に相談の電話をするが、事態はとんでもない方向へと進んでしまう。


 ふだん、なかなか手が出せない金泉堂のお菓子。

 シュークリームひとつの値段が八十円というから、時代が変わったんだなあとしみじみ。

 けれども、シュークリームの値段以上に高いのは、子どもたちのプライドだ。

 まったく無実の罪で大人たちに咎められた二人の怒りが、学校新聞を通して、市内の子どもたちすべてに伝わり、多くの共感を集めるのは、瞬時ではないけれど、まさに現代版ツイッターのようだ。


 子ども対金泉堂の「チョコレート戦争」

 勝利するのは、果たしてどちらか。

 気になる方はぜひ作品をごらんになってください。






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