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縁の本棚  作者: 雪縁
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本日の一冊 「こいぬのうんち」

「こいぬのうんち」【平凡社】

       クオン ジョンセン文

       チョンスンガク  絵


 クラスでの読み聞かせで何度も使った絵本です。


 表紙をめくると出てくる扉に、目鼻口のついたこいぬのうんちがデーンとねそべっています。

「きったな~い」と子どもたちは大さわぎ。そして、ページをめくると、いきなり子いぬのしろがうんちをしている絵が。これにも、たちまち「きったなあい」のブーイング。けれども、読み進めていくうちに、いつのまにか、鶏や土くれたちからも、きったねえといわれるうんちの立場に自らをおきかえていました。


 雨がふり、子いぬのうんちの目の前にたんぽぽの芽が顔をだします。たんぽぽは、自分が花開くには、雨とお日さまと、そしてうんちくんの力が必要なのだというのです。だれのなんの役にも立たないと思っていたうんちはうれしくてうれしくて、とうとう雨にぬれて、どろどろになりました。土の中にしみこんだうんちは、たんぽぽの栄養となってつぼみをつけ、ある日きれいに花を咲かせたのです。


 子どもたちは、もうだれもなにも言わず、ただ、しいんとしたまま、背表紙に描かれた無数の光の絵をまぶしそうに見つめていました。


 絵本の力の大きさをしみじみと感じた本でした。




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