本日の一冊 「めっきらもっきら どおん どん」
「めっきらもっきら どおん どん」【福音館】
長谷川 摂子作
ふりや なな画
ちんぷく まんぷく
あっぺらこのきんぴらこ
じょんがら ぴこたこ
めっきらもっきら どおん どん
やった! なにも見ないで、そらで言えた!
自分の中でまだ、この呪文が生きてたと思わず拍手。
「めっきらもっきら どおん どん」は、私の好きな絵本ナンバーワンといってもいい。
息子たちはもちろん、集中力の落ちる夏の時期には、上級生のクラスでも、けっこう楽しんでくれた。
遊び相手がだれもいないお宮の境内で、かんたはおおごえで、ちんぷくまんぷく……とめちゃくちゃなうたをうたってみる。
……すると、あなの中からふしぎな声が。
「よお、よお、ええうた、ええうた」
「おなかが ぽんぽん はじけるぞ」
「こっちゃこい こっちゃこい、こっちゃきて うたえ」
かんたがあなをのぞきこんだとたん、ひゅうっとすいこまれて、ふしぎな国に。
そこで待っていたのは、おかしな三人ぐみ。
モモンガーごっこがとくいな、しっかかもっかか。
なわとび名人 もんもんびゃっこ。
たからのたまをたくさんもっている おたからまんちん。
かんたは、かれらと思いきりあそび、おもちのなる木からおもちをちぎってたべて、たのしく過ごすのだったが……。
見開きいっぱいに大きく、ユニークに描かれた、おかしな三人。
泣いたり、笑ったり、歌ったり、本当に生き生きと描かれている。
一年生のクラスで、授業中にこの本をとりあげて、おはなしをしてほしい……と先生にたのまれ、三人ぐみのお面を作ったり、おもちのなる木を作ったり。
子どもたちが楽しめるよう、ひたすらにメンバーたちと工夫しあった日々が懐かしい。
低学年から高学年まで、いえ、大人までも楽しめる雪縁いちおしの絵本である。




