本日の一冊 「せんたくかあちゃん」
「せんたくかあちゃん」【福音館】
さとう わきこ作・絵
今日も雪雲のたれこめる、凍てつくような朝。
せんたくものは、部屋干しか、コインランドリーの乾燥機か……。
早く、さわやかな青空の下で、せんたくものを干したいな。
シーツも枕カバーもジャブジャブ洗って、パッと干して、夕方まで、風とお日さまにおまかせする。
そういう日がやってくるのは、もうちょっと先なのかなあ?
そんなことを思いながら、雪雲を少々うらめしい目つきでながめている。
この絵本に出てくるせんたくかあちゃんは、全自動洗濯機なんて使わない。
でっぷりした身体でしゃがみこみ、せんたくたらいの中でせんたく板を使って、ジャブジャブ、ゴシゴシ。
洗うものがなくなると、子どもたちに向かって、
「なにか洗うものをさがしといで」
さあ、大変!
せんたくされては一大事と、ねこも、犬も、とりたちも、げたばこのげたや、くつや、かさもみんな逃げ出す。
と、とつぜん大きなせんたくかあちゃんのひと声。
「とまれ!」
かあちゃんは、ねこも、犬も、とりたちも、げたも、くつも、かさも、子どもたちも、みんな、みんな、たらいに放り込んでしまう。
せんたく終了。
かあちゃんは庭の木から向かいの森にかけて、クモの巣みたいにロープをはりめぐらす。
そしてそれに、ねこも、犬も、とりたちも、げたも、くつも、子どもたちもなんでもかけて、干していく。
さてさて、せっかくせんたくものがかわきはじめころに、やってきたのは、雨雲にのったカミナリさま。
はでな音とともに、雨雲から転がりおちてしまう。
そのうす汚れた顔を見るなり、かあちゃんのしたことは……。
最後の頁。めくった瞬間、どっと笑えてくる。
明るく豪快な、せんたくかあちゃん。
まっ白に洗い上がったシャツみたいに、一点のシミもなく、心が晴れ晴れとしてくる絵本だ。




