本日の一冊 ティモシーとサラのえほん「ふゆのよるのおくりもの」
ティモシーとサラのえほん
「ふゆのよるのおくりもの」【ポプラ社】
芭蕉 みどり作・絵
子どもたちが幼いころの話であるが、長男・次男と同い年の姉妹が近くに住んでいた。
あるとき、その姉妹のおかあさんが、
「ねえ、これ読んでみて。すごくかわいくてうちの子たち、大好きなのよ」
と、貸してくれたのがこれ。
みるからに女の子の好きそうな、かわいいふたごの子ねずみとその家族のおはなし。
チャンバラが大好きなわが息子たちに、果たしてこういう絵本はどうかしらと試しに読み聞かせたら、なんとたちまち、大のお気に入りになってしまった。
もちろん、友だちに借りた絵本はすぐにお返しして、シリーズの何冊かを図書館で借り直した。
グラフイックデザイナー出身の作者だからであろうか。子ねずみたちが着ている洋服、街のショーウインドーの中、クリスマスパーティの食卓……などなど、細部にわたって、とても細かく描かれていて、頁をめくるのがうきうきしてくる。お話だけでなく、絵を見ることの楽しさを教えてくれる。
「ふゆのよるのおくりもの」は、ティモシーとサラの一家がクリスマスの準備をするものの、イブの夜には、おじいちゃんとおばあちゃんの家に行くことになった。
だあれもいないとサンタさんが帰ってしまうと涙をこぼす二人に、おかあさんはお手紙とお茶の準備をしておけば?とアドバイス。
そこで二人はサンタさんにお手紙を書き、お茶と手作りのクッキーをプレゼントする。
おじいちゃんおばあちゃんの家で、あかちゃんが生まれたばかりのおじさんおばさんもいっしょに、ティモシーとサラは楽しいひとときを過ごす。けれども、そんな楽しいひとときでさえ、二人ともサンタさんが気になって仕方ない。
ようやく帰宅した二人。
果たしてサンタさんは来てくれたのだろうか。
ツリーの下には、からっぽのお茶のカップとクッキーのお皿。
「どうもありがとう」とサンタさんからのお返事。
そして山ほどのプレゼント。
はねまわって喜ぶティモシーとサラ。
キラキラとした幸福感に満ちた、シリーズ絵本だ。
絵本好きの小さな女の子へのプレゼントには、ぜひお薦めのシリーズです。




