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縁の本棚  作者: 雪縁
75/306

本日の一冊 「ロバのシルベスターとまほうのこいし」

「ロバのシルベスターとまほうのこいし」【評論社】

          ウイリアム・スタイグ作

              せた ていじ訳


「ラプンツェル」同様、この本も高学年での読み聞かせに使った。大人が読んでも、もちろんハラハラドキドキの物語だ。


 ロバのシルベスターはあるとき、まほうのこいしを見つけた。願いごとを唱えると、即座に叶えてくれるまほうのこいし。

 おとうさんおかあさんに見せたらどんなにびっくりするだろうと思いつつ、帰っていたシルベスターの前にとつぜんライオンが現れる。

 パニックになったシルベスター。とっさに岩になれと願ってしまう。もっと冷静であったら、ライオンを消してしまうか、自分が家にとびかえるか、あるいはちょうちょやたんぽぽに変身できたのに……。

 岩になったシルベスターは、ライオンからは身を守れたものの、家に帰ることができなくなった。

 だれかが、すぐそばにあるまほうのこいしで、シルベスターをもとにもどしてくれたらいいけれど、まずありえないことだろう。


 シルベスターの両親は悲しみ、ひとり息子をさがし歩いた。でも手がかりがあるはずがない。シルベスターは岩になってしまったのだから……。

 こうして月日が流れた。


 ある日、シルベスターの両親は、二人でシルベスターの岩のある山にピクニックに出かけた。

 そして岩になったシルベスターとは知らずに、お母さんはその上にすわった。

 シルベスターはとっさにお母さんだと気がつき、お母さんもまた、シルベスターがすぐ近くにいるような胸さわぎを感じる。

 お父さんがまほうのこいしをひろいあげ、岩の上におく。

「ああ、ぼくはもとどおりになりたい!」

 そう願った瞬間、岩のシルベスターは、もとどおりにロバへと早変わり。

 両親の喜びようが、挿絵いっぱいに感じられてくる。


 離れていても感じあえる親子の絆。

 まほうのこいしよりなにより尊いものだと教えてくれる。

 ずっと読み継がれてほしい一冊だ。



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