表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
縁の本棚  作者: 雪縁
70/306

本日の一冊 「たたされた二時間」

 「たたされた二時間」【フェア文庫】

            代田 昇作

            長 新太画


 主人公は二年二組のてっぺい。

 待ちに待った給食のカレーの日に、おかわりしそびれてやけくそになったてっぺいは、食器をたたきながら、でたらめの歌を歌いまくる。

「ちんぼんじゃらん さらめのさっさ」

 すると、ノリの良いクラスメイトたち。男子も女子もおどりながら、

「ちんぼんじゃらん さらめのさっさ」

 昼休みじゅう、うかれてしまう。

 怒ったのは、担任の丸田二年生ふねおことシャクレナスビ。

 この歌にどんな意味があるのかと、しつこくてっぺいを怒り、なんの意味もないとてっぺいがこたえると、激怒して、授業の間ずっと、てっぺいをたたせた。


 けれどもたたされている間じゅう、てっぺいはいろいろと空想にふけって遊ぶ。

 目から出る光の熱で、シャクレナスビをやりこめたり、生徒にしたシャクレナスビをしかりつけてほくそえんだり。そして小声で「ちんぼんじゃらん さらめのさっさ」と歌ってみるのだ。


 あっさりとあやまればすむことだと忠告する友だちもいるけれど、てっぺいは断固としてあやまらない。形だけあやまるなんてしたくない。子どもにだって誇りはあるのだ。


 ずいぶんと昔のことだけれど、作者の代田昇氏が講師をつとめた童話の講座で、勉強させていただいたことがある。

 子ども好きで人情味あふれた、優しいお人柄だった。

 早くに亡くなられてしまったけれど、この本は先生の思い出として、縁の本棚に長く置いておきたい一冊なのである。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ