本日の一冊 「日本の行事と食のしきたり」
「日本の行事と食のしきたり」【青春出版社】
新谷 尚紀(監修)
もう目の前にお正月。
家をあずかる主婦には、何かといそがしい時期だ。
新しい年を迎えるにあたって、おせち料理作りをはじめ、次から次にいろんな仕事が待ち受けている。
便利な現代では、手料理のおせちもあれば、買い求めたおせちもあるだろう。でも大切なことは、おせちとは、お鏡とは、お雑煮とは、年越し蕎麦とはなんぞや?と考えてみることだと思う。
別になければなくてもお正月はちゃんと来る。でも、この国に生まれて、無事にお正月を迎えられるのであれば、この時期、こんなしきたりに関心を寄せてみるのもいいのではないだろうか?
本書は、第一章では【正月】【春】【夏】【秋】【冬】【年の瀬】に別れ、そこで食べる行事食を解説している。
ついで、第二章では、お食い初め、ひな祭り、端午の節句といった人生儀礼での食文化について。
最後の三章では、ほうとう、きしめんといった各地の伝統料理、芋煮や柿の葉寿司といった各地のごちそう。そして、餃子やたこ焼きといった戦後生まれの地方名物をあげている。
人間にとって最大の生きる営みは「食べること」。
けれども、そこには、ただ食べ物を「餌」とするだけでなく、料理という「文化」がとりいれられてきた。
地方ごとの豊かな食文化が、その由来と現在、歴史と民俗について、わかりやすく丁寧に説明されている書である。
次回は、年あけて1月6日から、また本棚に本を入れていきますね。秋からずっと、読んでいただきました方々、本当にありがとうございます。来年もよろしくお願いいたします。




