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縁の本棚  作者: 雪縁
48/306

本日の一冊 「ものぐさトミー」

「ものぐさトミー」【岩波書店】

       ベーン・デュボア文・絵

       松岡 亭子訳


 近ごろは寒くて、朝起きるのがつらい。

 寝たまま、着替えができて、顔も洗えて、朝ご飯も食べられたらいいのになってズボラの骨頂みたいな想像をしてしまう……けれども、実はあるのだ。そんな夢を叶えてくれる絵本が。


 そのタイトルも「ものぐさトミー」

 トミー・ナマケンボは電気仕掛けの家に住んでいる。

 あさ、お日さまが出て、窓じきいがあたたまると、トミーのベッドは動き出す。


 なにもしなくてもあついお湯が入ったバスタブに、パジャマも脱がせてもらってボチャン。

 入浴後はそのまま乾燥室へ。電気はみがきしぼりだし機で歯に練り歯みがきをしぼりだし、電気ハブラシでゴシゴシ。電気ぐしと電気ブラシとでかみの毛をセット。その後は自動装置によって順番に服を着て、ベルトに支えられたまま、車付き移動台の上にのって食堂へと向かい、そこでも、つめたいおかゆ、あついおかゆ、たまご六個分の炒り卵、ミルク十ぱいなどなど、驚くべき量の朝食を自動的に食べさせてもらったあとは、大きなナプキンで自動的に顔を拭いてもらう。


 ところが、ある日、嵐によって電柱がたおれ、トミーの家への送電が止まってしまった。けれども筋金入りのものぐさトミー、電気が回復するまで眠って待つことにする。ようやくもとどおりになり、お腹もすいてきたところで、いつものようにナマケンボの生活を始めようとしたとたん……。思いがけない悲劇がトミーを襲う。挿絵を見たとたん、きっとだれもが笑い出すだろう。


 読み聞かせには大人気だったこの絵本。最後は、トミーのこんな言葉で締めくくられる。


「よし、いまからすっかりこころをいれかえて、ぼくのくらしにあたらしいページをひらくんだ。

 さもないと、ほんとに もう……」


 ナマケンボウの夢を叶えてくれる一冊だ。



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