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本日の一冊 「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」
「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」【角川文庫】
万城目学作
小学校一年生のかのこちゃんは、父、母に愛され、すずちゃんというフンケーの友を得て、楽しく日々を過ごしている。
かのこちゃんの家には、玄三郎という老いた柴犬がいて、彼の家に住み着いたアカトラの雌猫がマドレーヌ夫人である。彼女は不思議と玄三郎の言葉を理解することができる。犬や猫たちにとって、お互いの言葉は外国語と呼ばれているらしい。
老いた玄三郎は日毎に弱っていく。
玄三郎とマドレーヌ夫人は会話ができても、玄三郎が人間たちと会話できることはない。そこで、マドレーヌ夫人が考えたこととは……。
かのこちゃんのキラキラした日常。
気高いマドレーヌ夫人と玄三郎の夫婦愛。
出会いと別れ。
読後、静かな余韻が心に広がってくる。
万城目氏の著作の中ではめずらしい、児童書とも呼べるような一冊だ。




