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縁の本棚  作者: 雪縁
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本日の一冊 「エルマーのぼうけん」

「エルマーのぼうけん」【福音館】

        ルース・スタイルス・ガネット作

        ルース・クリスマン・ガネット絵

        わたなべ しげお訳


 大人になってから、優れた児童書と出会うのもまたすばらしいことだと思う。けれども、もっと幼いころに、もっとグッドなタイミングで出会っていたら、さらに、さらに、その本の魅力が自分の中に染みつけられたのに……と思うことがある。

 本書はまさにそういう一冊。

 初版は一九六三年とあるから、自分が小学生のころには読まれてよかったはずなのに……残念ながら、田舎の小学校の図書館にはどこを探しても見当たらなかった。


 エルマーという少年が、ある一匹のねこの話から、どうぶつ島で囚われの身となっているりゅうを助け出すために、さまざまなぼうけんをする物語。

 ぼうけん旅行をするために、エルマーはさまざまなものをリュックにつめる。


 エルマーのもっていったものは、チューインガム、ももいろのぼうつきキャンデー二ダース、わゴム一はこ、くろいゴムながくつ、じしゃくが一つ、はブラシとチューブいりはみがき、むしめがね六つ、さきのとがったよくきれるジャックナイフ一つ、くしとヘアブラシ、ちがったいろのリボン七本、『クランベリいき』とかいた大きなからのふくろ、きれいなきれをすこし、それから、ふねにのっているあいだのしょくりょうでした。

 ふねの中のねずみをたべていきていくわけにもいかないので、ピーナツバターとゼリーをはさんだサンドイッチを二十五と、りんごを六つもちました。なぜりんごが六つかといえば、それだけしかだいどころになかったからです。


 大人である自分は、ここをフンフンと軽く読み流してしまったのだが、子どもの本の探偵である赤木かんこ氏によれば、この描写こそ子どもたちが何度も面白がって読み、しまいにはそらんじてしまうくらいに惹きつけられる場面であるということだった。

 ここに書かれた荷物はどれも、大事な場面でエルマーの役に立つモノばかり。なるほど、子どもたちが読めばきっと、なんでこんなものいるのかなあと首をひねりたくなるだろう。

 そういえば幼いころは、こういう小物に相当な興味をもっていたなあと、今さらながら思い出す。


 本のいちばん裏がわに掲載されている、どうぶつ島とみかん島の地図も、子どもたちの冒険心をあおり立ててくれそうだ。

「エルマーとりゅう」「エルマーと十六ぴきのりゅう」の続編も合わせてお薦めしたい。


 


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