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縁の本棚  作者: 雪縁
39/306

本日の一冊 「ロボット・カミイ」

「ロボット・カミイ」【福音館】

            古田 足日作

            ほりうち せいいち絵


 今は亡き童話作家の大御所、古田足日氏のロングセラー。

 二人の息子たちが小さいころ、一緒に読んだ児童書だ。


 たけしとようこは、ようちえんのももぐみさん。

 ある日、ダンボールの箱を使って、二人でロボットを作っていた。できあがったのは、目も四かく、はなも四かく、口も四かく、おまけにさがり目のなきむしロボット。

「紙でできてるから、きみはロボット・カミイよ。わかったら、へんじしろ」

 ようこがそう言ったとたん、

「いいい、だ。ぼくは、人にぼくのなまえをおしえてもらうほどばかじゃないよ」

 なんと、カミイはどんどん動き、しゃべりだしたのだった。


 二人はカミイをようちえんにつれていくが、まあ、カミイときたら、なきむしのくせに、いばりんぼでわがままで、あまのじゃくで、みんなを怒らせてばかり。

 たけしとようこは、なんとかカミイを仲間に入れさせようと努力するけれど、ジコチューなカミイにお手上げ状態。

 けれども、カミイに言わせれば、自分は気持ちのままに行動しているのであって、どうしてみんなが怒るのかわからないのだ。

 そんなある日、ももぐみのみんなは外におさんぽにでかけた。

 みんなが道路をわたりはじめてすぐに、信号無視のまま、猛スピードで走ってくるダンプカーが!

わあっと声をあげて走り出した子どもたちは、将棋倒しに転んでしまう。その上に、ダンプカーがのしかかろうとした、まさにその瞬間。カミイが信じられない行動をとった。それは……。


 いつのまにか物語に入り込んで、カミイの一部始終を見守っている自分に気がつく。

 お別れの場面では、カミイの生みの親である、たけしとようこの気持ちが手にとるようにわかって、思わず涙しそうになる。


 ロングセラーだけあって、とてもいい物語だと思う。

 児童書だけれど、大人も十分楽しめる。子どもさんには、なお、お薦めしたい一冊だ。



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― 新着の感想 ―
[良い点] この作品も懐かしいですね。 小学校の学級文庫に入っていたのを読んだ覚えがあります。 小学生の時は、「カミィはワガママで困ったロボットだなぁ…」と困惑しながら読んでいましたが、大人になった今…
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