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縁の本棚  作者: 雪縁
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本日の一冊 「ぶれない」

  「ぶれない」【三笠書房】

             平山郁夫作


 著者の平山郁夫氏は画家である。

 原爆後遺症でいちじは死ぬことも覚悟して、三蔵法師をテーマとする「仏教伝来」を描き上げた後に認められ、その後、仏教をテーマとしたものを、次々に描き始めた。


 それはやがて、古代インドに発生した仏教が、アジア諸国に伝わった経緯、またシルクロードの道への憧憬につながり、本人もシルクロードへの旅を繰り返す中で、さまざまな作品を生み出していった。


 この本には、自分らしく生ききるために、作者が絵を描くことを通して学んだ「ぶれない自分」を作っていくための法則が書かれている。


 さまざまな法則の中で、とても惹かれた一部分。


―絵の例であげれば、自分の中に確固としたものを築くと、不思議なことに余裕が生まれてくる。たとえば、絵の中に「余白」をつくることができるようになってくる。「余白」とは、単に絵の中にある空間のことをいうわけではなく、余白をつくることでほかの部分を引き立てる意図がある。そのためには描く前に省略すべきものがわかっていなければならない。そして、省略の価値を理解できる世界観と、大胆に省略するこころの余裕も必要となる。

 百ある要素のうち九九の要素を消して、たった一つの残った部分に集中して表現する。そして消した部分に余韻を残す。こうして自分に自信と余裕があるからこそ、はじめて作品に深みが出てくる


 これは、ジャンルにかかわらず創作するものすべてにあてはまることではないかと思った。

 自己を見つめ直す貴重な一冊である。







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