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縁の本棚  作者: 雪縁
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本日の一冊 「つづきの図書館」


   「つづきの図書館【講談社】     

            柏葉幸子作


 読み終えた本をパタリと閉じてひとこと。

「ああ~面白かった!」

 たしか、これで三度目のはず。


 本を読み終えると、しばらくして、あの物語の主人公はどうなったんだろうとか、その後がとても気にかかるときがないだろうか?

 この作品は、まさにその真逆。つまり、本の中の主人公たちが、自分の物語を読んでくれた人のその後が知りたくて知りたくてたまらずに、本から出てきてしまう奇想天外もの。


 物語の主人公は、司書の桃さん。小さいころにわけあって引っ越しをしたが、大人になっていろんな経験をしたのち、またふるさとに戻ってきた。

 入院中の杏おばさんの勧めで、おばさんの家で暮らし始めた桃さんは、おばさんに手渡された赤い本から、信じがたいできごとにいやおうなしに巻き込まれていく。


 まず桃さんが出会ったのが、童話から抜け出した「はだかの王様」

 裸で冠をかぶった、あの王様だ。彼は青田早苗ちゃんという子をさがしているのだという。

 次には「七ひきのこやぎ」に出てくるオオカミ。それから、「うりこひめ」のあまのじゃく。はては、幽霊までも……。

 みんなそれぞれ、自分の読者であった忘れられない子のその後の行方を知りたいと一生懸命なのだ。

 その都度、桃さんは彼らの話に耳を傾け、探す手がかりをつかむために動き回っているうちに、これまでの自分の殻をだんだん破って成長していく。

 桃さんが、王様や、オオカミやあまのじゃくたちのおかげで、いちばん会いたかった人と、再会できるラストシーン。じんわりと胸を打つ。


「つづきの図書館」は児童書であるが、大人もじゅうぶん楽しめる一冊だ。

 柏葉幸子の楽しくファンタジックな物語は、他にもまだまだたくさんある。後日に紹介していきたいと思う。


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